シェフがこっそり教えます!
カルタゴのおすすめメニュー
普段は厨房に入りっぱなしのシェフですから、お客様とあまりお話しする事も
ありませんし「本日のおすすめは・・」などと、ドラマみたいにも出来ません。でも
本当は色々、料理のことについてお話ししたいんですよ〜
この料理リストは、作っている側の私がすすめるメニューです。人気あるもの
も、ありますし、そうでないものもあります。このHPをご覧になった方だけに、
こっそり、お教えいたしますね!
クスクスはカルタゴでは人気メニューですが、中でも手作りで日本ではカルタ
ゴでしか食べられない「クスクス・メルゲーズ」をおすすめします。メルゲーズは
チュニジアの仔羊肉で作った辛いソーセージです。スペインのアンダルシアから
レコンキスタによってもたらされたものです。そう「チョリソ」と同じ仲間なのです。
イスラム教ですから、豚肉は使いません。パリに居る頃、バケットにフライドポテ
トと一緒にはさんで売っている「メルゲーズ・サンド」をよく食べました。
メニューにこっそり載っているので注文が少ないのですが「本日のおすすめス
ープ」は、いつもガッツ入れて作っているので、絶対おすすめ!嫌いな素材でな
い時は是非!試してみてください。よく作るものは「ヨーグルトのスープ」や「ハ
リーラ」(レンズマメのスープ)や「ショルバ」(魚と麦のスープ)などです。
冬季限定の「仔羊のタジン」も、運良くあったらおすすめ!これは3時間以上
かけて煮込んだモロッコの有名なシチュウです。とろけるような肉と玉葱の甘さ
が絶品です。タジン鍋と呼ばれる独特の器でサーブします。モロッコに行かれた
方はご存知ですね。クスクス・・いやそれ以上かもしれないモロッコの代表料理
です。パンを注文されて、ソースまですくってお召し上がりください。
忘れてならないのが「ブリック」(卵とツナの包み揚げ)です。なにしろ初めて出
会ったアラブ料理が、これでした。そして、今でも変わらず大好きです。パリッと
揚がったサクサクの皮ととろける半熟卵が絶品です。本当はツナが苦手なので
すが、何故か、ブリックは平気です。チュニジアではレモンを絞って食べますが、
私は邪道かもしれないのですが、ハリッサ(唐辛子ペースト)を塗って食べるの
が好きです。挽肉もあるのですが、個人的にはツナがおすすめ!
カルタゴを始めてからアラブのお客様のリクエストでメニューにのせた「ホムス」
(ヒヨコ豆のディップ)もおすすめ。一晩、水につけて3時間煮込んだ豆をペースト
にして、特製のタッヒーナ(ゴマソース)をかけてパンですくって食べます。シンプ
ルですが、手間隙のかかった一品です。おかげで「日本一おいしいホムス」とア
ラブのお客様にお褒めの一言!自分でもどこに出しても恥ずかしくない自信が
あります。勿論、人気もあります。
それとマニアックに人気があるのが「シシ・ケバブ」(仔羊の串焼き)や「シシ・
キョフテ」(仔羊挽肉の串焼き)などです。現在、トルコ本国でも牛肉がポピュラ
ーになって、多くのレストランでもそうしています。でも、私が教わった頃は、羊
肉だったので、カルタゴでは頑固に羊肉で通しています。
もうひとつは「ターメイヤ」(そら豆のパテフライ)です。これは豆を使った料理
で、アラブでは一般的に「ファラフェル」(ひよこ豆のパテフライ)という料理と同
じ仲間です。ターメイヤはエジプトのアレキサンドリアの郷土料理です。
最後のおすすめ料理は「サラタ・メシュイーヤ」(チュニジアの焼き野菜のサラ
ダ)です。原価が高く、あまり出て欲しくないのですが・・・メシュイーヤとは「焼
いた」という意味で、文字通り、玉葱、ニンニク、ピーマン、トマトなどを、何十分
もかけ、じっくり焼いてから焦げた部分を掃除して、刻んでから冷ましてサラダ
にするという。本当に大変な料理です。しかも、火を通すと小さくなってピーマン
などは5個位を一人前に使ってしまいます。味は勿論おすすめです。スパイスも
チュニジアから仕入れしたものを使っています。お客様にはお得な一品です。
右の写真は、フレッシュ
野菜で作った「サラタ・チ
ュニジアン」です。量を
見比べてみてください。
これで「メシュイーヤ」の
方は2倍の野菜を使っ
ているのです。でも値段
には見た目の適正価格
なるものがありますので
単純に倍にする訳にも
いかないのです。ウラ事情でしたね。ともかく、独断と偏見でおすすめしました
が、作った全ての料理に愛情があることは間違いありません。このリストを参
考に新たに挑戦しようと思われたら、それで私は充分満足です。




極秘