2003・軽田子鉄道

勾配部分とトンネル

色々な車両を走らせていると、本線部分の脱線、脱輪などが起こります。自分では
しっかりゲージを取ってるつもりでも何かの拍子で狂う・・・スパイクした部分は合っ
ていても、間が狂っていたりします。この調整作業に時間を費やします。

枕木一本づつ、ノギスで正確にゲージを取りながら瞬着でとめました。直線部分は12m
mジャストで、曲線は12,2mmです。ゲージの間違いを直します。念の為、曲線部分に
ガードレールを内側に設置しました。これで脱線がなくなりました。

本線が問題なくなったのでポータルを
作りました。市販に気に入ったものが
なかったので自作です。寸法は実物の
非電化のトンネル断面寸法(直線用)
から割り出しました。上の円は26Rで
幅は54mm(直線は51)、下の幅は
41mm、高さはレール面から56mm
(52mm)です。曲線部分なので幅は
ともかく、高さは少し多く取りました。ほ
ぼスケール通りです。コレを通過でき
ない車両はオーバースケールという事
になります。

■勾配のお話
 勾配を設定するのは難しいものです。正確に作るのはもっと難しい〜曲線が歪むと
車両走行に支障がきたしますが、勾配はもっとシビアです。そういう意味ではウッドラ
ンド・シーニックス社のインクライン・セットは本当に助かるアイテムです。説明や寸法
がインチでも気にする必要はありません。メートル法の方が簡単だからです。要は2%
なら100mmで2mmあがるという事です。1mで20mm。4%なら4mm、1mで40
mmです。上のトンネルポータルの寸法から2階建ての駅は55mm(レール面から)
あれば何とかなります。1,5mあれば4%で60mmまであがれますので万全という
事が分かります。これ以上キツイ勾配は入線させる車両も限られてきます。たとえば
2軸のキハ03には上れません。このミニレイアウトのギリギリの斥候案が4%でした。
話は前後しますが、駅を2階建てにしたのは構内を長く取る為です。前回の軽田子は
オーバル本線にホームがありました。いくら短い車両ばかりといっても、かなりな無理
が強いられます。たぶん似合うのは、南部縦貫のレールバスくらいです。こういう事を
考えて決めたのです。そしてこうした条件(最小曲線や勾配)が入線させる車両を選
んで、軽田子鉄道の性格を決定します。(本末転倒かもしれませんが、模型ではよく
ある事です・笑)

勾配部分を作る前に本線を着色しました。枕木はタンとガルグレイを薄めにサッと塗りま
す。後でカッターやブラシで荒らす事でウエザリングになります。レールはハンブロールの
エナメル塗料の混色です。相変わらずNo62が手に入らず、63、70、118、119を混ぜ
て場所によってトーンを変えました。ポイントのグリースの黒はALCLADUのスチールを
塗りました。これはラッカーで薄く重ね塗り出来ます。番号はALC112です。

勾配は前述のINCLINEを使いますが、高さを上げるため、スチレンボードを重ねながら
高度を稼いでいきます。クロスするところで75mmになりました。スチレンボードとパネ
ルは速乾性のボンドで付けました。ボード同士はスチレン糊併用です。更に竹串を差し
てズレないようにしてあります。インクラインの発泡スチロールも曲線では戻りがあるの
で爪楊枝とかで曲線を維持出来るように留めてあります。

路盤を貼り付けて、勾配の最終チェック
です。余っている発泡スチロールなどで
地形を作っていきます。レールは駅部分
の2階建てが出来てからの方が問題が
少ないのでグッと我慢です。「4%上れ
るテストは大丈夫か?」へへ、実は本線
のボードにインクライン4%をはさんで斜
めにしてテスト済みです。曲線も大丈夫
でした。ただ気動車(キハ40000)が辛
いので改造をしなくては駄目そうです。

曲線のスラック(アソビ)は12,5mmまで
大丈夫と稲葉氏からアドヴァイス。

■あれだけカントとスラック、逓減と学んだのに実際にスパイク始めると吹っ飛んでしま
 いまして、本線がきしむ状態。曲線はスラックつけないとね。12mmでは12,5mm
 まで(特に急曲線の場合)広げられますとさ(師匠から)。広げました(笑)

駅部分は80mmの高さにしました。本
線とのクロス部分が75mmでしたので
余裕な筈です。駅の土台は5,5mm厚
ベニヤです。勾配の繋がりをスムース
にする為にクッキーカッター方式でベニ
ヤを切りこんで沈めました。路盤と道床
によって接続を確かなものにしていま
す。この辺は2%くらいの緩和勾配にな
っています。

道床が全て敷設されました。とても滑らかな勾配に
なったと思います。曲線部分に黄色の帯があるの
はICテープです。始まりは1枚で中は2枚、3枚と重
ねて緩和を取っています。右下の写真が枕木を置
いたところです。右肩が上がっているのが分かりま
す。Code60と50の
接続部分は直線に
持って行こうと思い
ます。ただテストして
うまくいかない場合
は60のまま駅まで
行き、側線のみにす
るかもしれません。
自分の技術に自信が
ないんですねえ。

ここで正確にレールと枕木について書きます。実は本線に使っているレールはCODE65
(特注・篠原製)です。そして、これから使おうと思っているのがME社のCODE55です。
なぜ違うレールを使いたがるのでしょう。本物の鉄道では、本線と側線ではレールが違っ
ています。地方私鉄なんかもそうです。その違いを試してみたいんです。繋がりが上手く
いくか心配です。本線仕様のCODE65とCODE55と枕木の違いを表にしました。

  レールの高さ(ノギスでの実寸)  枕木の厚さ    計
  CODE65(特注・篠原模型製) 1,7mm  Kappler社 1,2mm  2,9mm
  CODE55(ME社製)       1,4mm  基板    1,6mm   3mm

本物の鉄道っぽくという事であれば本線は、このままで、駅の引き上げ線や側線に55を
使う方向ですすむ事にしました。55の枕木が基板とあるのはプリント基板です。稲葉方式
です。使い方は駅の製作で説明します。

勾配部分に枕木を敷き、レールをスパイクした状態です。枕木と道床部分だけが木な
なのでスパイクがスーっと入ります。配線して勾配上でテストします。


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