Lenz・LH200の使い方
木曽モジュール倶楽部ではLENZのDCCシステムを導入しています。
運転会の度に大騒ぎ!普段、使っていないのでアドレス取るのもままな
らない状態です。このままではいけないと思い、みんなの為に最低限の
マニュアルを作ることにしました。
1、ディスプレィ
左はLH200の写真です。ディスプレィやキー、回転ツマミなどを憶えて下さい。
それと、このマニュアルでの表示方法の約束を下記に書きます。
この黒の「0」は液晶の表示です。
白抜きの「3」は液晶
画面で点滅している
状態を表します。
黒丸は点の液晶の表示です。
星マークは左の黒丸が点滅状態を表します。
液晶の左にあるトグル・スイッチは前後進です。上が前進、中立、下が後進
■回転つまみとキーの説明
回転ツマミは普通の運転ではスピード調整です。右に回すほどスピードが上がるのはアナログと同
じです。LH200の回転ツマミ部分はアドレス入力の数字選択にも使うのが特徴です。これは後で解
説します。ここではツマミの下のキーパッドについて説明します。
「A」キーは押す度にLH200が記憶しているアドレスが順番に表示されます。6つまで記憶表示しま
す。(この部分をデッキといいます)他にPCのEnterキーと同じ使い方をします。チェックキーと呼びます。
「↑」はシフトキーです。このキーを押すと、キーに小さく書かれた数字や記号が有効になります。
「0」キーはフォンクション0のオン・オフです。大抵はライトのON/OFF。シフトキー「↑」を押すと「M」が
有効になります、「M」はメニューという意味で押す度に表示が変わります。メニュー表示の順番はアド
レス>走行ノッチ>プログラミング>マルチユニット>システム>と変わり最後に運転モードに戻りま
す。
数字の四つのキーは、それぞれフォンクションキーです。シフトキーを押してメニューを選ぶとメニュー
モードになり、その時は番号の桁の選択キーになります。それぞれのキーから回転ツマミの横を通っ
て液晶につながる黒いラインは、それぞれの桁と数字が連動しています。これが他の器械と使い勝
手が違う部分です。
運転モード(通常の状態、>メニューモード)でフォンクション5〜8を選択したい時は「↑」シフトキーを
押してからそれぞれのキーを押します。
「◎」は緊急停止キーです。これを押すとレールへの電気をOFFにすることが出来ます。液晶にはOFF
の文字が点滅します。復帰させる場合は、もう一度押します。LH200のプログラミング変更で、走行中
の機関車全部を電気を落とすことなく停止させたり、選んでいるアドレスの機関車のみを停止させ
たりできます。
「↑」シフトキーを押して「0」を押すと、運転モードからメニューモードに変わります。この時回転ツマミは左
に絞っておきます。回っていると変更できないモードがあります。
■メニューモードの表示の説明
●メニューモードになると左の「Adr」が表示されます。アドレスの意味です。機関車の
アドレスを選択する時に使います。
●選択中のアドレスの機関車の走行ノッチを変更するキーです。シフトキーを押す度
に「14」>「28」>「128」と変わります。選択したいところでチェックキー「A」を押す
と決定されます。KMCで使われている主なデコーダーは128に対応しています。
●POM:機関車をプログラミングするメニューです。通常の運転時にいじらない事!
●MU:マルチユニット、多重連運転の際に編成したり、解除するメニューです。
●SYS:システム、LH200の設定を変更するメニュー。これもいじらない事!
●上記の順番で表示された後、運転モードに戻ります。つまりアドレスが表示されま
す。左の例はアドレス「03」が表示されました。
LH200操作の実際
上記で液晶ディスプレィとキーの基本的な事を説明しました。では実際の運転会の時を想定して、実践編とします。
ある機関車を動かしたい時、最初にすることは、その機関車のアドレスを取得する事です。確認事項を箇条書きしま
す。
■03のアドレスを46に変える
●前後進トグルスイッチは中立の位置か?
●回転ツマミは左に絞られているか?
●以上を確認後、「A」チェックキーを押して(アドレスが6種類順番に表示)選びたいアドレスが
ないかをチェックする。ある場合は、そのアドレスを表示させて運転に移る。
●ない場合は、一番使わないアドレスを表示させ(このアドレスが書き換えられる)
1、「↑」シフトキーを押した後、「0」キーを押す。つまり小さく書かれた「M」メニュ
ーを選択した事になる。
2、画面に「Adr」と表示される。
3、「A」チェックキーを押すとアドレスの一桁目が点滅する。この例の場合は「03」
の「3」が点滅する。
4、回転ツマミを右に回すと数字が上がる。「6」が表示されるまで回す。数字が通
り過ぎた場合は左に回すと数字が減る。
5、「3」のキーを押して10の位を点滅させる。
6、同様に回転ツマミを回して10の位を「4」にする。
7、「46」が表示されたら、決定の為に「A」チェックキーを押す。
●これでアドレスが選択されたので回転ツマミを左に絞り、前後進スイッチを倒し
運転に入る。




運転会で必要なのはアドレスを取る事と、この重連くらいです。他は覚えなく
ても問題ありません。やみくもに押してプログラムなど書き換えないように確
実な操作を覚えてください。
■アドレス03と04をMU55に組み込む
1、重連させたい機関車のアドレスを表示させる。(例は03)
2、「↑」シフトキーを押して「0」を押してメニューモードに入る。
(画面は「Adr」が表示される)
3、「0」キーを3回押すと「MU」が表示される。(nuに見える)
4、アドレスを取る時と同じ要領で「55」を選択する。これは新しいアドレス
55に03がマルチユニットとして組み込まれたという意味。「M55」
5、マルチユニット・アドレス55を「A」チェック・キーで決定する。
6、今度は重連させたいアドレスを選択する。例では「04」。
7、上の2以降5まで打ち込むと、03と04がマルチユニット55になる。
注意:●機関車の進行方向を揃えること。(前進同士)
●MUの場合、デコーダーは28走行ノッチモードにしておく。
●個々の機関車のフォンクションは個々のアドレスを選択して命令する。
上記を例にするとMUアドレス55が画面に出ている時に、「↑」シフト
キーを押して「A」チェックキーを押すと、MUされている機関車のアドレ
スが押す度に表示される。例では03と04が表示される。04のライト
を消したい場合、04と出たら「0」キーを押すと、ライトがOFFになる。
●フォンクションはMU全体で命令することはできない。
■MU:マルチユニット(重連)の設定
■MUの解除 MUアドレス55が表示されてる状態で、「↑」シフトキーを押して、「A」チェックキーを押すと
交互にMUされてる機関車のアドレスが表示されると書きました。ここでMUから切り離し
たい機関車のアドレスを表示させます。この場合03とします。
1、03を表示させたままで、「↑」シフトキーを押して「0」メニューキーを3回押す。
2、MU画面になったら「A」チェックキーを押す。画面は横棒4本とMUから切り離したい
03が交互に点滅する。
3、もう一度「A」チェックキーを押すと、03がMUから切り離される。
LH200システムの設定&その他
通常の運転会では個々の運転手がLH200を操作するのは、アドレス取得のみです。重連MUは稀に
あるかもしれませんが、全員が覚えておく必要もありません。ここから先はLH200のシステムの設定で
す。これも運転者が覚える必要はありません。運転会を管理する一部の人間が覚えておけばいいことで
す。これはシステム全体の設定を書き換えるので、運転会中は許可なしに行ってはいけません。
デコーダーのプログラミング方法を知りたい人もいるかもしれませんが、KMCの運転会ではKATO・D
101がその役目を担っていますので、これも覚える必要がありません。
液晶ディスプレィの点の意味が分からないという質問を
受けたので簡単に説明します。これは通常は気にしなく
ていいものです。例えば走行中のアドレス03の機関車
の運転を他の人に頼まれた場合なんか
に重宝します。アドレス03を取ると
左のように点灯して今、走行中の機
関車の速度調整を指示してくれます。
この点が点滅して この点の点滅
いる場合はスピード この点の点 はスピードが
が遅い。 灯はジャスト 早いという意味
正直言ってこの指示が役立つ事はほとんどありません
でした。運転を引き継いでスピードが多少変わっても こちらは前後進の指
気にならない程度だったからです。心配なら一度車両 示。上が点滅してい
を停止させて運転を再開すれば済むからです。ただ たら前進に、下は後
点滅が気になる人が納得するように説明しました。 進です。
■メニューモードの解説
■アドレスについて(上記で説明しました)
■ノッチについて
メニューモードのアドレスの次に表示されるのがノッチです。これは停止状態から最高速度までを何分割して
運転するかという話です。勿論、デコーダーの性能に関わる話です。古いタイプは14ノッチが多いようです。最
近のものは、14にも28にも128にも対応しています。現実問題として14ノッチでもガクガクと加速する事はあ
りません。ノッチの変更は回転ツマミが絞り込まれていないと出来ません。回ってる状態では現状表示です。マ
ルチユニットMUにする機関車は28に設定する必要があります。
■POMについて
POMはLENZ社独自のものです。レール上に沢山の機関車が置いてあってもアドレス選択で、その特定の
機関車のCV値を書き換えられるものです。アドレスCV1と拡張アドレスCV17と18以外は全て書き換える事
が出来ます。それだけにDCCに精通した人以外の方が操作した場合、非常にリスクが大きくなります。
■MUについて(これは上記で説明しました)
■システムについて
「↑」シフトキーを押して「0」メニューモードを選択するとアドレスが表示されます。そしてノッチ、POM、MUと
なって最後に表示されるのが「SYS]システムです。これはLH200の設定を変えるものです。「SYS」と表示
されたら「A」チェックキーを押します。画面は「Y 0’0」と表示されます。アドレスを取る時と同じように番号を
下記の表を参考に入れるとLH200のシステムが変更されます。
システム |
設定される内容 |
1 |
1つのアドレスのみ登録可能 |
2 |
2つのアドレスが登録可能 |
3 |
3つのアドレスが登録可能 |
4 |
4つのアドレスが登録可能 |
5 |
5つのアドレスが登録可能 |
6 |
6つのアドレスが登録可能 |
7 |
緊急停止キーを押すと全ての電気をOFFにする。 |
8 |
緊急停止キーを押すと選択されているアドレスの機関車のみがOFFになる。 |
9 |
緊急停止キーを押すと全ての機関車が停止するが、線路への電気はONのまま。(LH200
がX−バスでコマンドステーションLZ100に接続されているか、他のLH200がコマンドステ
ーションとして作動している場合のみ) |
10 |
X−バスアドレスの変更(LH200がX−バスでコマンドステーションLZ100に接続されて
いるか、他のLH200がコマンドステーションとして作動している場合のみ必要) |
11 |
LH200のバージョンナンバーが表示される。 |
99 |
リセット デッキに登録された機関車アドレスは0〜5に戻る。
全ての機関車の走行ノッチが28ノッチモードになる。
全てのMUが削除され初期設定になる。 |
チェックキー
シフトキー
フォンクション0
メニューキー
緊急停止キー
■KMC内用 用語集・・・運転会では以下の言葉が飛び交う(笑)ので意味を把握しておいてください。
「A」・・・チェック・キー
「↑」・・・シフト・キー
「0」・・・ゼロキーまたはメニュー・キー
「◎」・・・緊急停止キーまたは二重丸
〇・・・回転ツマミまたはダイヤル
!・・・前後進スイッチ(前進位置、中立、後進位置)
この他に、コントローラー(LH200ハンディキャブ)、コマンドステーション(LZ100)またはコマステ、
パワーステーションまたはパワステ(LV101)などを使います。またLA152をサンダーバード1号、2号
と呼ぶ場合があります。5号まであります。
■エラーメッセージの解説 (運転中、問題があると、液晶画面が点滅してエラーメッセージを出します)
Er 1・・・プログラミングレールがショートしている場合。
Er 2・・・CV値をデコーダーから読み込めない場合。
Er 10・・・数値がこれ以上入力できない場合。
Er 24・・・MUの登録が一杯。
Er 96・・・XpressNETのワイヤリングが断線した場合、コマンドステーションがプログラミングモードの場合。
Er 98・・・コマンドステーションがLH200を認識しない時。
●車輌をレールから上げるなど、問題を解決したら「A」チェックキーを押すと復帰します。