●機関庫のある風景 製作記事ー2
ハンドレイによってレールを敷設した状態。左から枕木が塗られていきます。地面をする
時は、どうしても色々な事を同時進行する悪い癖があります。機関庫前は北海道に多い
Y字ポイントです。
低い位置で見たモジュールのレール配置。やはり犬釘がないのが目立ちます。草は以前
使った緑のテディベア用。これを草に見せる方法はModel Railroader誌
Senery Tips &
Techniquesの3・Fake fur grassを参考にしました。適当な大きさに切ったものを木工ボンド
で貼って乾かします。
ハサミで縁や真ん中あたりを切ります。画材店で売っている絵の具に混ぜるネオマチエール
を上から振り掛けます。土と生地の境目がわざとらしくならないようにします。草を刈り込んだ
所にも多めに掛けます。その後、ブラシで擦るとネオマチエールが草の間に入っていって土
のようになります。その記事では、疎らな西部劇に出てくるような草なので土を大量に使って
いました。日本の風景は驚くほど緑がありますから、やりすぎないのがコツです。
トーンを落ち着かせるために更に灰も擦り込みました。ボンド水溶液は、草の周囲や土を
盛ったところから染み込ませます。毛管現象で中まで入っていきます。草につけないよう
注意が必要です。ボンドがつくと草同士がベットリとリーゼント状態になってしまい、修正
が利きません。写真は小湊鉄道・上総鶴舞駅です。緑と菜の花、駅舎周辺には桜が見え
ます。ここまで草をバラスト上に生えさせられませんが、参考になります。
バラストはWS社のミディアムサイズを撒き、周囲に灰を撒きます。ボンド水溶液を枕木
の間から流し込みます。時間をおきながら流し込んで放っておけば、水溶液は勝手に
灰まで浸透して流れていきます。生乾き状態の時に緑のパウダーを撒きます。
バラスト撒きが終わったところです。一度、乾かしてから細かなところを修正します。丁寧
にやっても必ず埋まっていない所があります。機関庫前はバラストを撒いた後に灰を擦り
込み、土で埋まっている状態にしています。気付かれた方もいると思いますが、真ん中の
ポイントの後の曲線がキツイと思いませんか・・・ケガキ間違いだったのです。450R位し
かありません。SLの通過は厳しいので直します。
鉄道模型を長くされている方は「ギャア〜」と思うかもしれません。曲線を直す荒療治方法
です。青矢印部分のレールを片方切って、地面を切り裂きます。赤矢印方向にグッと引っ
張れば曲線が緩くなります。地割れ部分にバルサを埋め、裏から角材でモジュールを補
強しておきます。レールは切り継ぎで半田付けします。450Rが750Rになりました。
手術後のモジュールです。自分でもかなり無茶すると呆れます。精密な模型をしているとは
到底思えない作業です。最初から注意深く作業していればこんな事は不要です。
■信号機の話
設定のところで美幌別では単灯形信号機 を使うと書きました。旧交通博物館にあった ので現物をご覧になった方も多いと思います。 信号機には3つ目や5つ目の3位式と、腕木 や単灯のように2位式に分かれます。場内・ 出発信号機などは「停止」か「進行」、遠方 は「注意」か「進行」という風に2種類の現示 しか出来ないものを言います。 正式名称・単灯形色灯式信号機は腕木の 代替として考案され、信号電球は1つで色ガ ラスの転換によって信号現示します。腕木を そのまま交換した機械式と美幌別で採用した 電気式に分かれます。 1954年に信越本線に採用され、主に非電 化単線の幹線、亜幹線に使われました。多雪 地域の北海道にも多く使われていました。信 号設備敷設基準規定の改定によって1965 年以降の新設はなく、1995年池北線の自 動化によって常呂駅を最後に腕木より早くに 消滅しました。(LazyJack説明書を参考) |
信号機は説明書通りに組み上げました。大変だったのは梯子かもしれません。ただでさえ
歪みやすいのに、更に床に落として踏んでしまったのです。修正が大変でした。LEDは赤と
緑の基板用がキットに入っています。Nanoに比べれば4倍も大きいのですが、やはり苦労
します。絶縁して収めエポキシで固めて蓋をします。必ず点灯テストをしておきます。
■モジュールに設置して眺めると苦労がふっとびます(笑)
●それからのモジュール報告(2009年4月記)
上に書いた頃は単燈式信号機(単灯形が正しい)で電気式(ポイントマシン)で動作という設定
のつもりで作業をすすめていましたが、仲のいい友人から「あの時代は腕木でしょう〜シェフ〜
手をぬいちゃ駄目だよ」と言われ、悔しいので腕木で機械式と時代を逆行することにしました(笑)
コーナーモジュールの場内信号機は腕木にしたので、もう後戻りできませんねえ。北海道なのに
錘が下です。うっかり普通に作ってしまったのです。築堤は雪が積もらないという事でお茶を濁し
ます。また怒られそう。腕木信号機のネックは、動作させるポイントマシンが更に必要な事と、それ
をコントロールするデコーダーも必要なのが辛いです。動作させなければ悩みはないのですが、こ
こまで来て飾りというのも・・・・それと機械式という事は腕木を動作させるワイヤキャリアも飾りとは
いえ、這わせなければいけません。駅も電気式では操作盤だけでしたが、機械式では信号てこを
作り、ワイヤを引き回さなければならないので、全面改装です。そんな作業を参考になるか、分か
りませんが、書いていきます。何故、ここまでこだわるのか、自分にも分かりませんが、簡単に言う
と、こういう鉄道施設が好きだからです。
●ワイヤ(鉄管)の配線
左から場内信号機のワイヤが柱に滑車で来ていたものを下に降ろして、ポイントに合流。15°
クランクを介して右にいっています。ポイントマシンは撤去します。
パイプキャリアで固定しながら90°クランクでレールの下をくぐりハングキャリヤを通してから
再び90°クランクで駅方向に這わせます。直線でなくなる所には滑車を入れています。クラ
ンクで角度を変えるのが一般的ですが、滑車のコマが並ぶ様も好きなので・・・
鉄管はポイントを介する度に増えて、モジュールの端で4本になりました。マシン撤去をしなく
ちゃいけません。時代の逆行はある意味勉強になります。
石炭の積み込みですが、コールタワーからの供給という設定で、当初、機関庫周りに作りませ
んでしたが、やはり、欲しくなって、以前、軽田子鉄道で使っていたものを改造しました。新しい
部分が追加した工作です。場所は給水塔の脇です。定番というのは大事だと思いました。
ディーゼル給油所も改造です。軽便祭で発売された商品を阿部さんオリジナルの形や配置に
しました。特に井戸の屋根が大きな改造です。やはり見慣れたモノの方が落ち着くんですね。
色々と小物も作っては並べ・・・機関士はKATOの新製品、完全に1/80になってますね。
2009年4月末の状態。むこうでJ社の酒井が脱線してます(笑)あれ12mm化の予定です。