美幌別の9600
 

 この珊瑚模型の9600(1/87・12mm)は、僕が生まれて初めて買った真鍮製キットでした。
 元はベーシックキットだったのですが、その頃、天賞堂から倶知安の18号機、16号機が発
 売され、それに触発され2つ目に改造したものです。その後、珊瑚模型から18号機のキット
 が発売される事を知りました。買って組み立てた18号機と並べてかなり落ち込んだものです。
 使ったパーツが1/80でしたから・・・

 今思えばベーシックキットのまま組み上げるべきでしたが、初めてのキットで張り切っていた
 のです。新18号機が入線して、この96で遊ぶ事も少なくなっていました。今回、美幌別モジ
 ュールを作るにあたって、何とか復活させてみたいと思うようになりました。

 シンナープールに漬け込んで塗装を剥がして、その拙い工作に笑ってしまいました。完全に
 バラすつもりで眺めていると、一生懸命なあの頃の自分が思い浮かんで、記念にオリジナル
 を生かした改造に留める事にしました。

 

 給水温め器(1/80)、デフ(自作)、スノウプロウ(天賞堂製)、バタフライスクリーン(自作)、
 火の粉止め(自作)などを外し、化粧煙突などオリジナルの美しさを強調するようにしました。
 完全に落としていないハンダをキサゲします。前照灯もmtechsのLP−42でまとめます。ラ
 ンボードの前にあるエアタンクも、自作のグニャグニャな放熱管もそのままにしました。後から
 特定のパーツのハンダ付けを外すのは大変です。熱の回り方を考えないと必要なパーツが
 取れてしまうからです。

 

 きれいに洗浄した後、プライマーを吹き、セミグロスブラックを吹き付けました。ナンバーと社
 紋を入れ、艶消しを吹きます。前照灯の中に白を塗り、標識灯にクリアレッドを指します。美
 幌別ではDCC化&サウンド化しなくてはいけません。幸いこのカマは、天賞堂のSL−1で
 遊んでいたので、スピーカーとコンタクトホイールが付いています。SLのDCCでのサウンド
 ですが、デコーダー一体型よりもバラの方が配線が楽です。走行用デコーダーを本体に積
 み、サウンドデコーダーをテンダーに積めば最小限のコードで済みます。一体型だとモータ
 ーへの2本、前照灯への2本、コンタクトホイール1本、集電用1本、計6本のコードをテンダ
 ーと本体で繋がなくてはいけません。曲線での走行に支障がでる可能性が高くなります。

 

 ・・・と上に書いておいて入手したTsunamiを見るとデコーダー込み!あちゃ〜です。本当
 に書いた通り、曲線で支障が出るかテストしましょう。この性格、我ながら呆れます。テンダ
 ーのライトはnanoイエローを入れましたが、テスト点灯であまりにオレンジ(以前はそうでも
 なかったのでロット差?)なので、前照灯にはホワイトを使いクリヤーイエロー(nanoのホ
 ワイトは青みが強く蛍光灯のようになるので)を塗りました。左の写真がTsunamiを搭載し
 たところです。本体に繋がるコードは、集電用・赤色コードとコンタクトホイール用・白色コー
 ドとモーター用の灰色と橙色コードの4本です。前照灯にはアクセサリーデコーダーをキャブ
 に使います。バック時の黄色コードにはキャブ内に赤色LEDを仕込みます。赤色LEDだけ
 他の色と+−が逆ですから気を付けます。


        ■ポインターを画像に合わせると公式側の写真になります。

 コード類に黒を塗っていません。本体とテンダーの間に垂れ下がって見えるのがそれです。
 このTsunamiはRioGrandeのK-Class用で汽笛を選択できます。あえていえばNo.1の
 K-36#487かNo.5のK-37#497です。日本の蒸気機関車の音と違いますが、K-37なら許
 せる範囲です。機関車ナンバーは19636ですが、実車とは無関係です。このナンバーの
 実車は、大正6年川崎造船所製造で、配置区は若松で後藤寺(1974年)で生涯を終えて
 います。



 ■9200や8100よりパワーがあるので、美幌別で活躍が期待されるカマになりました。