Dachs Story−2

  ダックスが完成すると貨車も欲しくなりました。祭りの時に諜邪丸さんがセキ改造の貨車を持参
  してましたので、真似をしようと思いましたが、プラで作る方が僕には簡単に思えたのですが、い
  かなる事になるでしょうか・・・

 

  実車の写真を基に描いたラフスケッチです。台車はアーチバー台車でなんとかなりそうな・・・

                        ■流山のサドルタンク

  貨車のアイデアを暖めている間に12mmのレールで作業する機関車を作る事にしました。素材
  は流山のサドルタンクです。

 

  上の写真ですごくカッコいいと思ったのですが、作り始めて見ると、なんかオモチャっぽいんです
  よねえ。動輪が小さくて、キャブも小さいのかなあ。とにかくバランスが好みではないんです。ボ
  イラー部分を低くして、キャブを改造したらなんとかなるかもしれません。BLWの持つ野暮ったい
  雰囲気をなんとか表現したいものです。(実車の写真は説明書に載っていたもの)
  
   ■補足 上の写真は腰高康治氏が同人誌『古典ロコ』No.4に発表したものと分かりました。
         『鐵道模型趣味』No.33 1951年(昭和26年)6月号(機芸出版社)にも載ったもの。
          備考:1956年までの写真。旧著作権法での保護満了だそうです。

       ウイキペディアに詳細が載っています。→15・16、ボールドウィン製B形サドルタンク
      車軸配置 2-4-2、動輪直径 953m、動輪ホイールベース 1524mm、先従輪直径 610mm、
         先従輪間のホイールベース 5398mm、車高〈キャブ屋根〉2845mm。

 

  最初の加工は、キャブ下のダイキャスト部分を切り取る事です。掲示板でゆうえんさんが教えて
  くれたテールへービィのバランスを崩せます。それとキャブ製作の邪魔になる所です。急曲線へ
  の対応の為に、従台車も首振り方式に変えたいところですが・・・

 

  ええ〜いとばかりに従台車枠(矢印部分)も切り取ってしまいました。ついでにこの材料が持つ
  独特のバリもヤスっておきます。特にギヤーの入る所が出っ張っていました。回転の抵抗にな
  るのは勿論です。

 

  キャブを作る前に走行系を仕上げます。主台枠にカプラーポケットなどを接着します。イコライザ
  ーの間に従台車用にネジ穴を切った板を入れておきます。はめ込みと接着剤です。

 

  洗浄、プライマーを吹いた後に艶消しブラックで塗装しました。最初にアイドラーギヤーを入れて
  軽く回るかチェックします。加工で主台枠が歪んでいないかを見ました。。

 

  動輪を入れて評判の悪い集電ブラシをチェックします。この時点では軽く回りました。ところが・・・ 
  アイドラーギヤーと動輪のギヤーの噛み合わせが悪く、空転したりします。ブルータスお前もか!
  という心境です。ダックスと同じ方法で処理しました。

 

  ロッド類を組み付けてからが大変でした。引っ掛かりがあってチェックしている間にシリンダー
  からスライドバーが外れるわ、シリンダーごと取れるわで・・・結局、ハンダ付けです。長軸の
  キドは元気に生きていました。回転数もトルクも問題ないのでそのまま組みました。主台枠の
  上に乗っている鉛板は、前後のバランスを取る為です。これで自立しています。ボイラーに組
  み込んだ鉛の重さで、確実に重心は2つの動輪の間になります。この写真を撮るまで2時間
  調整に苦しみました。ようやくスムースに回転するようになってからの一枚です。やれやれ。

 

  ボイラー部分を乗っけてバランスを見ました。前より随分と低くなりました。何が気に入らないの
  かという質問を受けました。プラとか金属とかという問題ではなくて、模型の佇まいなんですよ。
  なんかフリーランスの普及版ロコみたいな安っぽさを感じて、我慢出来なかったんです。作られ
  た方には申し訳ないんですが、個人の意見と好みという事でお許し下さい。

 

  従台車の工作はエッチングパーツのランナーで作りました。二枚重ねでハンダ付けすると丈夫
  になります。コの字で囲んで軸箱パーツを接着しました。右上のヒゲ(オレンジの矢印)が集電
  ブラシです。回転の邪魔にならないようにしたつもりです。かなり首を振ります。これ以上の曲
  線を12mmで走らせる事はないので充分です。車軸を包み込んだ事で回転もスムースです。
  左右にもズレて動きません。黄色の矢印を軽く反らせる事でレールへの追従を向上させてい
  ます。すごく簡単な構造ですが、上手く動作してくれました。

 

  パソコンで製作しているキャブの展開図です。キャブは、極力、軽く製作したいのでペーパーで
  作る事にしました。リベットが上手く打ち出せるかがポイントです。主な変更点はフロントとリヤ
  の窓配置と大きさを変えて、キャブを下方に少し長くしました。窓配置は好みに変えました。緩
  かった屋根の曲線もボリュームを変えました。幅はエンドビームの位置があるので大きくは変
  えられません。オリジナルより高さを20mmから23mmに変えました。それによって乗務用扉
  の高さは18,5mmが21mmになりました。やりくりして幅5,5mmを6mmにしました。オリジ
  ナルの扉は、本物だったら高さが1600mmしかなかった事になります。

 

  葉書にプリントアウトした展開図です。KATOの乗務員は換算すると身長1m83もあるので
  1/80(1m67)だと思われます。それでこのバランス。さあペーパー車体工作に一抹の不安
  を覚えながら・・・それでも切り出しましょう。確かガラスとか硬い上で切るんでしたね。

 

  切り出して組み立ててみました。普通は自作のペーパーは一回で決まる事がないのですが、
  今回は偶然にもドンピシャリ(古い言い方?)で修正が必要なさそうです。リベットは、そこに
  あるなあ程度で、ないよりはマシかな・・・

 

  塗装しながら組み立てているのは補強の意味があります。プラ角材で内側に補強もします。だ
  いぶカッチリしてきました。四角になると取りあえず安心です。

 

  機関車と合わせてみました。イメージに近づいた感じです。炭庫後板はオリジナルのプラパー
  ツを使う事にしました。リベットが多く、自作のペーパー製では今ひとつな感じですから・・・

 

  炭庫後板を接着しました。自作でこんなにピッタリ合う事は今までほとんどありませんでした。
  偶然とは言え嬉しくなってきます。これ「とれいん」の記事にしたら怒られるだろうなあ・・・(笑)

  ■色々と質問されたので補足します。まず「作図をどうしたのか?」ですが、葉書の上にバラバラ
   のオリジナルパーツを並べます。真上からパースがつかないように撮影して、取り込みます。
   その写真を基に作図しました。ソフトは何でもいいと思います。僕はホームページビルダーに
   付属している「ウェッブアートデザイナー」というソフトを使いました。その画像を葉書の比率で
   切り取りプリントアウトすると、オリジナルと同じサイズになります。「リベットは?」は0,4mm
   のドリル刃を逆さにピンバイスにつけて、蒼井優ちゃんのCMみたいな顔で「ぎゅ〜」と押しま
   す。うまくリベットとして出るには下の素材が問題です。固すぎても柔らかすぎても具合が良く
   ないようです。別の紙で色々試してみてください。僕はビニールカバーのついた予定表が一番
   うまくいきました。

 

  手摺や補強用の板、炭庫の縁などパーツを追加した状態です。裏側に瞬着が流れて丈夫に
  なってきました。最後の仕上げに1000番のサンドペーパーをかけました。

 

  プライマーを吹いた後に黒を全体に塗り、緑を吹きました。黒を塗ったのは紙臭さを消す為と
  色調をボイラー側と合わせる為です。石炭を水溶液で固着させて炭庫を固定しました。

 

  内側を明るい緑(コックピット色)で塗り、窓を入れてから屋根を固定。屋根は少し大きめにし
  てあります。自分の好みの形になったと思っています。随分と印象が変わりました。

 

  屋根を艶消し黒で塗って前照灯を付けました。前照灯の台座は付属のプラを2つに割り小さ
  くして利用しました。前照灯は以前8800を作った時に潰してしまったものを直したものです。
  それでも少し歪んでいますが、それも「らしい」かなと思っています。

 

  ナンバー(傾いている!)やメーカーズプレートを付けて、取りあえず完成とします。アナログで
  慣らし運転してスムースになったら、デコーダー積んで、前照灯にLED仕込みます。いやあ〜
  キャブを壊してから、軽い後悔をしていたのですが、なんとか形になりました。掲示板で皆さん
  からアドヴァイスやアイデアを貰い、良く走るカマになりました。ここであらためてお礼を言わせ
  てください。ありがとうございました。おかげ様で、お気に入りのカマになりました。北炭から払
  い下げられた設定で美幌別に入線させるのも楽しいかもしれません。(2010年3月17日)

 

  このキャブのデータが欲しいという方がいらっしゃってメール添付で送らさせていただきました。
  なんか嬉しいなあ〜でも作るの大変ですよ〜他にもいらしたらメールください。このデータを葉
  書大でプリントアウトしてください。機種によって「ふちなし」にした方がいい時もあります。


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