■お立ち台の製作編

 

  キットに付属のお立ち台は、地面をするものとしては我慢できないものなので、自作です。手
  持ちのモジュールで機関車が乗りそうなものを選んで、3mm厚バルサで道床を表現します。
  枕木はOn用ですが、日本型にはちょうどのサイズ(長さが39mm)です。13mm間隔で並べ
  ました。ゲージは21mmで、CODE100位のレールが国鉄型に似合いそうです。

 

  CODE100の引き抜きレールをME社のスモールスパイクで押さえていきます。枕木の表面を
  荒らしてあります。一応、側線という設定です。レールは焼いてあります。

 

  機関車を置いてレールとのバランスをみます。狭軌感が出ていい感じです。CODE100は正
  解でした。このまま作業を続けます。

 

  バラストは以前に買ってHOには大きすぎると感じていた光栄堂のレイアウトストーンLS−3
  です。そのままでは新しいバラストなので水溶液に茶と黒のアクリル塗料を混ぜて固めます。
  手前が製品のままで、奥が水溶液を垂らした所です。枕木は薄めた黒で着色です。

  

  バラストも撒き終えてレールに錆び色(ホビーカラーH344)を入れました。ブレーキの粉はパス
  テル(茶)です。犬走り部分は以前にも紹介した「貝化石粉」です。草はオーストリア・レイアウト
  製作の残りものを使いました。BUSCH社の1305・HERBSTAUEです。

 

  給炭台は、引き抜きレールをガス台で焼きなまして、半田付けで作ります。モデルは昔の「とれ
  いん」誌に掲載された図面を基に作りました。会津のものなので雪対策がされています。給水
  パイプは、凍結を防ぐためにワラで覆われています。メラニン棒を彫刻刀で荒らして表現しました。

 

  C51には不釣合いな施設ですが、お立ち台の大きさに合わせたのと、佇まいが好みで、似合わ
  ないと思いつつ製作しました。角材とバスウッドで周囲の囲いを作ります。

 

  囲いを着色してから屋根を被せました。ストラクチャー作りは、スケールによる違いはないと思い
  ますが、大きなスケールになると、必然的に作り込みが必要になります。そこが面白い所だと
  感じます。

 

  隣接する給水塔も先の図面をを基にしています。台は引き抜きレールにプラのアングル材を組み
  合わせました。タンクはタミヤのボトル(図面にピッタリ)を冶具にして、バルサ板(5mm厚)で作り
  ます。

 

  給水塔が形になりました。給炭台へは地面を通って水を供給します。パイプはやはり、ワラで覆わ
  れていますから、同じように表現します。ボルト類はプラモデル用のデテールアップパーツです。水
  タンクは着色して黒いコードでタガをかけています。屋根は葉書で傘状にケガキ作りました。合わ
  せ部分は草を植えて誤魔化す予定です。話が前後しますが、図面はHO用なのでコピーで拡大し
  ています。

 

  給水塔は着色後に、図面を参考にして、給炭台とモジュールに設置しました。本物はC11が停泊
  していましたから、そういう雰囲気です。先入観かもしれませんが、C51には小さい施設です。

 

  給炭台の右側には詰所を作ろうと、戸を作り出しました。何種類かのプラ棒の組み合わせで、作
  れます。どうもO以上になると誤魔化しがききません。ガラスを入れる斜めの支え(建築用語を知
  りません)なども欲しくなります。

 

  詰所のデザインは、僕にとってオーソドックスな雲竜寺鉄道(レイアウトテクニック)のそれです。
  スペース的に前半分、左半分の大きさで、カットモデルになります。

 

  着色しながら組んでいきます。どうも気に入らないのは何故なのか、釈然としないまま工作は
  進んでいきました。

 

  モジュールに置いて車輌と撮影です。上に書いた釈然としない気持ちは、このスケールになると
  もっと本物と同じように作らないと、リアルな感じにならない事に気付きました。プラ板では誤魔化
  せない大きさなんです。HOでは許される工作も、このサイズはアラだけが目に付きます。大きな
  模型がトイチックに感じるのは、そういう事だったんだと思いました。人間の目の不思議です。

 

  小物類を配置してそれらしくまとめましたが、色々な所が気になってしょうがなかったです。もう
  このスケールは、割り切らないと簡単にはやれない感じました。もっと徹底的に作りこまないと
  きっと満足しないんでしょうね。HOスケールなら、もう少し満足感があるのですが・・・

 ■完成写真(2010年8月3日)

 

  給水塔と給炭台は只見線の会津田島にあったものです。図面1975年6月号のとれいんより。

 

  反対側から見たお立ち台です。それなりの雰囲気です。


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