●タイガーヒルから見たダージリンの町とヒマラヤの朝焼け(最高峰はカンチェンジュンガ・8586m)

  インドのダージリンという場所をご存知ですか?東にブータン、西にネパール、南にバングラ
  ディッシュと挟まれた地域です。南東にあるアッサム地方も含め、インドの紅茶の大生産地
  です。2011年11月25日〜29日の5日間、お店を休んで行ってきました。紅茶の仕入れでは
  なく、シェフの趣味(鉄道模型)の関係です。

 そのダージリンに、鉄道としては、世界で
 2つしかない世界遺産があるんです。ひと
 つは、オーストリアのセンメリンクというア
 ルプスを越える鉄道です。こちらは160年
 前に造ったものを、今も使っています。ダ
 ージリンは130年前ですが、線路配置も
 そのままですし、何しろSLが生き残って
 います。部品を地元の人が作って直して
 走らせています。別名「トイトレイン!」

 麓のシリグリの町が海抜120mなのに
 ダージリンは2000mを越えます。その
 距離わずか88kmなのです。どれだけの
 山岳線か、想像もつかないでしょう?日
 本の山登りの聖地・上高地で1500mで
 すから、考えるだけでワクワクします。

 最初にダージリンを知ったのは、1971年
 に刊行された「鉄道讃歌」という本の記事
 によってです。本を書かれた人達は、この
 時代に、すでに注目していたんです。すご
 い事です。1ドルが360円の時代です。
 

 

  出発は早朝の羽田からです。趣味で休むので後ろめたくて、あんな遠い所への旅が5日間。

 

  ひとまず、キャセイパシフィック航空で香港まで3時間。新しい香港の空港は、素晴らしくて
  ビックリしました。アジア最大のハブ空港といっても過言ではありません。

 

  香港からキングフィッシャー航空で、デリーまで8時間。丸一日かけての移動です。

 

  デリーのホテルにたどり着いたのは深夜でした。着いてビックリ!キングフィッシャーの国内
  線のタイムテーブルが変わって、出発が朝6時半!2時間前に空港に行かなければならな
  いので、3時半には迎えに来るってドライバーが、のたまうのです。ひえ〜寝れない。この
  立派なベッドがうらめしい〜

 

  朝、時差ぼけにもならない状態で、国内線に乗っていました。運転手にチップ20ドルあげ
  たよ。10月頃まで、この辺は雨季なので、11月はベストシーズンです。飛行機からは、
  ヒマラヤが見えました。着いたと思ったら・・・なんと、そこはアッサムのグワーティ空港!
  ダージリンの麓にあるバグドグラ空港は、この次だと言われました。唖然!電車かよ!

 

  やっとバグドグラに着くと、日焼けしたネパール系インド人のガイドと運転手が待っていまし
  た。実は英語があまり得意ではないので、今回の旅行の為に、猛特訓してきたのですが、
  ガイド君は片言の日本語を話せました。ちょっと安心。空港の周りもお茶畑〜

 

  シリグリの町へ向かう幹線道路。インドらしい風景だったのは、ここだけでした。この後、左
  折して山へ向かいます。十字架は、ドライバーがキリスト教徒だからです。

 

  ここはどこだ〜というような風景。大好きなグアムにも似ていますが、看板でインドだと分か
  るくらいです。幹線を外れて山道に入るトイレ休憩の一枚。

 

  山道をグングン登ります。さっき通ってきた道が下に見えます。実は木々の間は全部茶畑
  なんです。手前の垣根のような木もお茶!11月だというのにインドは30度近いのですが、
  この辺は20度を切るようになります。高度1000m位です。

 

  お店を急に休んで来た答えが、この写真にあります。今登っている山道は、実はダージリン
  鉄道のある尾根ではありません。谷を挟んだ西側、ネパール側なんです。向こうに見えるの
  が、その尾根です。上の鉄道地図にあるカルシャン(1482m)が見えます。手前の木の右
  側が崩れているのが分かります。一昨年の1kmにもわたる、このガケ崩れでカルシャンと
  シリグリ間は不通になり、いまだ開通の見通しがたっていません。そのニュースを聞き、もう、
  見られなくなるかもしれないという、居ても立ってもいられない気持ちが、この旅を急がせた
  のです。右にウネウネと登って来た道と村が見えます。

 

  ダージリンの谷を挟んだ西側、ネパール国境にあるマニバンジャンの町。ここで昼ご飯。

 

  ガイド君は、最初、こぎれいな外国人が行くレストランを僕に勧めたのですが、一緒に食べ
  ようという僕の提案で、彼らが行く地元の飯屋に行きました。一人メシは嫌いだ〜

 

  そこのネパール料理。まあカレーです。最初、フォークとスプーン出されたけど、彼らと同じ様
  に右手で食べました。左手をテーブルに挙げてはいけません。インド・ネパール料理は、日本
  でも、しょっちゅう食べてたので、全く違和感はありませんでした。美味しかった〜

 

  これも茶畑です。谷向こうの山はネパール国境。日本では味わえない感覚です。お腹が
  いっぱいになったら睡魔が襲ってきました。昨日からほとんど寝ていないとガイド君に話を
  して、ダージリンに着くまで寝ることに。一緒に地元メシ食べてから、すでに彼らも心を開い
  て冗談言ったりするようになっていました。zzz...

 

  ガイド君に起こされて目に飛び込んできた風景です。ダージリン手前のグーム駅。なんと
  夢にまで見たSLが停まっています。走っていないかもという不安もあったので、目が覚め
  一気にMAX状態、(笑)日本を発って、2日目で見れたんです。

 

  写真や映像でもサンザン見たダージリンのサドルタンクが、シュウシュウと息をしていました。
  気が狂ったように駅中を走り回って、何枚もの写真を撮る姿に、ガイド君もあ然です。さっき
  までイビキかいて気絶していたのにねえ・・・

 

  時計を見ると夕方の4時、汽車は甲高い汽笛を鳴らしながら出発し、町中を走っていきます。
  運転手とガイド君に「レッツゴー・ハリーアップ」と叫んでいました。この先に、あの有名なバタ
  シアループがあるからです。

 

  笑っちゃうくらいに汽車は遅くて、あっと言う間に追いついて、車から降りて一枚「ちくしょう〜
  西日の逆光じゃ〜」と日本語で叫んでいました。あまりの僕の真剣さに、ガイド君は、僕がた
  だの観光客でない事がすぐに分かったようでした。

 

  すぐに次の撮影地に移動してくれて、ようやく順光で一枚。「バタシアループは?」という僕の
  問いに「この上}とガイド君。あちゃ〜、がっかりしていると「大丈夫、明日、撮れるから・・・」と。

 

  チベット仏教寺院の下を行くトイトレイン!「チェイス!トレイン!」勉強したのもどこへやら・・・
  むちゃくちゃな英語を話していました。

 

  カーチェイスならぬトレインチェイスが始まりました。あれだけ離れたのに、追いつくんです。
  地元の人は、飛び降りたり乗ったりします。横を走って写真とっていると、突然、道をレール
  が横切ったりします。まあ運転手は熟知しているので安心です。

 

  まるでため息のように、大きくシューといいながらSLが停まりました。見ると山側に給水タン
  クがあります。蒸気機関車は水と石炭(薪もある)で走ります。皆さんが思うより多く、石炭
  より水を使うんです。日本のSLで後ろに石炭積んだのを牽いていますよね。あれの下の
  2/3は水タンクなんですよ。そんなマニアックな話はともかく、西日が当たってきれい〜

 

  それから町中を通って、ほどなくしてたどり着いたのが、見慣れたダージリン駅でした。右に
  オープン状態(壁がないという意)の機関庫も見えます。初めて来たのに懐かしい風景です。

 

  給水を終えた汽車がやってきました。同じ車両を追い掛け回すのが、こんなに簡単な鉄道も
  稀です。山間の町の夜は早いんです。11月というのを忘れるくらい、穏やかな日差しです。

 

  駅に到着して、すぐに機関車は、こちら側の側線を使って反対に連結する作業に入ります。

 

  人が通っている側線を結構なスピードで汽笛鳴らして走るSLです。ちょっと、ドキっとしました。

 

  客車の停まる線に入ってきた機関車です。ここまでで、数百枚もの写真を撮っています。デ
  ジカメになって良かったと思える瞬間です。フイルムなら現像代考えるとゾッとします。

 

  連結〜ガチャン!機関車の向きを変えずにバック運転です。ダージリン駅には機関車の向き
  を変えるターンテーブルもあるのですが、長く使っていないそうです。

  

  機関庫に停まっている他の機関車も見学。全部で4台が健在でした。昔は数十台あったといい
  ます。どこに置いていたんでしょう。まあ、あちこちの駅ですね。

 

  ガイド君に「チェックインがあるから」と言われ、しぶしぶホテルに向かいます。着いたのは、
  ダージリンのチョウラスター広場の丘にあるWINDAMEREホテル!英国風コロニアルな素敵
  な所でした。これは本館ではなく離れ、1階の右が僕の部屋です。

 

  部屋の中です。左は暖炉があります。一人で来たことを後悔した瞬間でした。この時の僕の
  瞳は、間違いなく、少女漫画の主人公のような星が入っていたでしょう。荷物を置いたら、お
  茶してダージリンの町を散策しようとガイド君が電話してきました。まだ5時だしね。

 

  ダージリンの町を散歩しました。インドルピーをガイド君に頼んで、50ドル両替してもらいま
  した。小銭なので少しくらいのレートの悪さは気にしません。これすら使い切れないと思いま
  す。まあ残ったらチップであげればいいでしょう。

 

  ダージリンの町は、山の斜面に出来ているので、まあ、平らな所がありません。全て坂道と
  言ってもいいでしょう。普段の運動不足が・・・キャノンとソニーの看板がありました!日本企
  業ガンバレ〜今は、どこに行っても韓国と中国に押されてきていますからね。

 

  ガイド君の友達がやっている旅行会社にあったブリキのおもちゃ・・・よく出来ています。

 

  そこに飾ってあった昔のダージリン駅の写真。アーチが続く屋根が好ましいデザインです。

 

  坂道が集まる辻は、人々があちこちに移動するポイントのような所です。日常とはいっても
  よく迷子にならないもんだ。ガイド君が「何か見たいもある?」と聞くので、「開いているなら
  市場がみたい」と即答です。

 

  う〜ん、この妖しさ、たまりません。スパイス売り場で尋ねると、100gあたり20円くらい!
  驚いてコリアンダーやクミンなど、思わず500g単位で買い込みました。日本の1/20・・・
  いや、もっとか、ともかくアラブより安いんです。さすがに本場です。スパイスかじっては、こ
  れ500gとか言うので、ガイド君が「あなたは何している人」と目を丸くしていました。

 

  市場に居ると時間の経つのも忘れてしまいます。肉屋や八百屋で珍しいものを見る喜びです。
  気付けば、すっかり暗くなっていました。「もうホテルでのディナーの時間だよ」と・・・

 

  ホテルに戻る時、アザーン(イスラムの礼拝の呼びかけ)が聞こえるので、その方向を見ると、
  インドスタイルのモスクがありました。ヒンドゥ教、仏教、キリスト教、イスラム教と、名だたる宗
  教が揃って混在しています。

 

  何ともいえない雰囲気のベーカリー?お菓子を買ったら10円くらいでした。なんか子供の頃を
  思い出しました。その時代(昭和30年代)は、日本でもたいていのものは10円で買えたんで
  すよねえ。菓子パンとかも・・・今の100円感覚かな・・・

 

  ガイド君を家に帰して部屋に戻りました。暖炉に火が入り、赤々と燃えていました。なんか、
  例えようもない贅沢な気分になりました。シャワー浴びてディナーに行きました。その話は、
  後で書きます。明日はタイガーヒルへ朝日を見に行くので、また3時半起きです。

 

  興奮して緊張しているせいか、とにかく寝起きがいいんです。ホテルでチャイと軽い朝食を済
  ませ、タイガーヒルに向かいました。車でダージリンからグームへ行って、横道に入るのです
  が、とにかく、すごい人!日本の祭りの夜って感じです。インド人も含め、どこにこんなに観光
  客がいたのって思いました。3000人は居ました。まさに黒山の人だかりです。

 

  ガイド君は地元の顔らしくタイガーヒル(2590m)の一番高い展望台までフリーパスでした。
  手前がダージリンの町で、奥に写っている山がネパール国境にあるカンチュンジェンガの山
  並みです。右の方は中国との国境。左の方でチョコンと頭を出しているのがエヴェレスト。

 

  ブータン国境の方に朝日が昇ってきました。展望台の窓が邪魔なんですが、そこまで人が多く
  て行けませんし、ガイド君が山を見るベストポジションを教えてくれたので動けません。おかげで
  下のような写真が撮影できました。

 

  朝日は最初に山を赤く染めました。感動しました。あの雄大な風景は、写真では、なかなか
  伝わらないのが残念です。僕はホッカイロ持ってたので暖かでしたが、他の人は震え上が
  っていました。凛とした空気感。安っぽいけど、生きてるなあ〜という実感・・・

 

  西にカメラ向けると、エヴェレストが見えます。重くても望遠レンズと三脚持って来るんだった
  と思ったんです。展望台の窓枠にカメラを押し付けて撮影しました。隣近所の外人(ここでは
  僕が外人かあ)も僕のやり方見て、なるほどと真似をしていました。

 

  感動した余韻を残して山を降ります。途中にチベット仏教寺院が見えます。ガイドブックには、
  タイガーヒルを訳して、丘なんて書いてるけど、標高から言っても「山」ですからね。行かれる
  方は、しっかり装備してください。何人もヒールはいて震えてる人見ましたから・・・そういえば
  穂高の涸沢へ登った時も居たなあ〜そういう観光客。どこも一緒か・・・

 

  グームに降りたらレールが道端に。ここを走るなんて・・・という状態。枕木も見えない併用
  軌道です。幅は610mm、英語では2フィーターって言います。

 

  ホテルに戻って、ちゃんとした朝食を取ります。こんなに気持ちのいい朝は久しぶりです。

 

  英国式の朝ごはん。卵はどうする?と聞かれて、迷わずサニーサイドアップ(目玉焼き)!と、
  答えたけど、卵の黄身がやせてるよ〜ディナーも、ここで食べたのですが、キャンドルライトで
  とてもシックなムードでした。アメリカ人グループが大声で話すのを、イギリス人が、たしなめて
  いました。同じ英語圏でも国民性が違います。本当にうるさいよ〜(笑)

 

  部屋に戻って朝の空気を入れます。持ってきたi-Podをスピーカーで鳴らし、ジュリエット・グレ
  コを聴いていると、外を通った英国紳士が「グッモーニン、グッミュージック」とか挨拶されまし
  た。朝には似合わない内容の歌だったんだけどなあ〜(笑)

 

  部屋に飾ってあった昔のダージリンの絵です。とても写実的なので写真が基かもしれません。
  ガラスが反射するので、斜めに撮影しました。

 

  ガイド君との待ち合わせまで時間があるので、ホテルのテラスでまったりタイム。えもいわれぬ
  贅沢な時間です。ここではモーツァルトをかけていると、ホテルのオーナーの英国マダムが来
  て、おしゃべりしました。とても感じのいい人でした。

 

  ガイド君が来たので、早速、駅に向かいます。僕がここへ来た目的を話しました。ですから、
  観光予定(動物園、登山学校、寺院、茶畑など)をキャンセルして、今日一日、鉄道オンリー
  でとお願いしました。

 

  10時のカルシャン行きはディーゼル機関車牽引です。今日はダージリン駅からも山並みが
  見えます。「お前はラッキーだ」と言われました。本当に非現実的な風景です。

 

  同じ場所で振り返ると、機関庫から煙が立ち上がっています。10時15分の観光SL列車の
  準備をしています。上の教会とのコントラストが面白い構図です。

 

  忙しい時間帯です。どのSLを動かすか検討中なんです。その日、調子のいいのをみます。

 

  忙しい時間なんですが、日本から持ってきた僕の作ったSL、どうしても本物と撮影したくて、
  撮っていいかと許可を求めました。すると、みんな手を休めて集まり、大変な騒ぎになりまし
  た。ごめんなさい。でも嬉しかったです。皆さんに色々と教えていただき・・・

 

  日本から模型の為に写真を撮りに来た事を知ると「どこに入ってもいいぞ」と許可してくれて、
  普通の観光客が撮れない写真をたくさん撮りました。これも機関庫の中です。機関車は、ど
  れもダージリン側を向いていて、太陽の関係で、こちら側の写真が少ないんです。

 

  DL牽引の列車が出発しました。人や車がある中を、汽笛をうるさいほど鳴らしていきます。

 

  何号機でいくか決まったようで、一番手前の機関車が動き出しました。煙が朝日をかすめま
  す。臭いと音が、すでに遠い子供時代を思い出させて、なんとも言えない気持ちに・・・

 

  機関車は、機関庫からグーム側に進んで、ポイントを切り換え、道路を横切って駅に進んで
  きます。機関士は身をのりだして安全確認しながら運転です。大変そうです。

 

  駅で客車に連結しました。整備に余念がありません。古い機関車を動かすのは大変なんです。

 

  顔見知りになったおじさんに「ライトはあのまま?」と尋ねると、「分かった、分かった」と言い
  ながら屋根にのぼり、針金でとめていました。言わなかったら直さなかったの!?(笑)

 

  席は全て指定席です。外から見るより、意外と広い客車で、リクライニングシートでした。

 

  定時を少し過ぎた頃、甲高い汽笛を鳴らして出発です。もうもうと立ち上がる煙が客車の中
  にも入ってきます。身を乗り出して撮影していたら、外国人観光客に文句言われました。

 

  ダージリンの街中を通り過ぎた辺りに、昨日も撮影した給水ポイントがあります。やはり、一時
  停止で給水タイムです。分かっていたので、客車から降りて撮影しました。

 

  横を車がバンバン通るので、注意しながらの撮影です。5分ほどで終了すると、短い汽笛を鳴
  らします。出発の合図です。

 

  車窓から見たカンチュンジェンガの山並みです。気温が上がって雲がだいぶ出てきました。

 

  20分ほど走ると、2重巻きで登るバタシアループに到着です。車掌さんが「10分の停止」と
  叫びます。皆さん、一斉に降りて記念撮影。僕は列車と山を撮影したかったので、さっさと
  こちらまで歩きました。

 

  この鉄道には、一番有名な、このバタシアループ以外に、3つのループ線と5つのスイッチバッ
  クがあります。ここ以外はカルシャンより向こう側にあります。山岳線ですが、トンネルはあり
  ません。ループとスイッチバックで高度をかせぎ、尾根まで上がって走る珍しい鉄道です。

 

  バタシアループからは町中を通って、500mでグーム駅に到着します。ダージリンとグーム間
  は6kmで、高度差200m弱です。30分ほどの楽しい旅でした。

 

  グーム駅は、この鉄道で最も高い所(2257m)にあります。始発からここまで登り、ダージリ
  ンには下っていくのです。駅の右のクリーム色の建物にはダージリン鉄道博物館があります。

 

  入り口に飾ってあったダージリン・ヒマラヤン・レールウェイのマークです。色合いがいいです。

 

  現在の鉄道全図がありました。終点のダージリンが右側です。全路線のほんの少ししか乗車
  していないのが分かります。

 

  ダージリンのSLを作ったシャープ・スチュワート社の公式写真です。今の機関車と比べると
  随分、改造したのが分かります。水を入れるサドルタンクと石炭を積むコールバンカーの位
  置が機関車のセンターから左右に振り分けられ、重量バランスが良く、山岳線に合ってい
  ます。動輪が2個しかないのは、急曲線に対応するためです。動輪が小さく、数が多い方が、
  急勾配を登るのには有利ですが、ループなどでは曲がれなくなります。

 

  バタシアループのイラストです。左がグーム側です。グルンと回って一気に高度を下げます。

 

  外に出て、模型作りの資料として、あらゆる角度から駅舎を撮影します。これ作りたいなあ。

 

  ホーム側です。本当に模型みたいな感じです。何気にホーム屋根の鉄柱、作るの大変そう。

 

  11時過ぎに出発です。SL観光列車は、ダージリン−グーム間のみ、一日3往復だそうです。
  ダージリン発10時15分、13時30分、15時30分です。グーム発は1時間後かな・・・

 

  帰りはSLを正面から撮れるので、車で追いかけての撮影にしました。バタシアループで待ち
  伏せての一枚。昔は原っぱだったのですが、今は記念公園になっていて、入場料を取られ
  ます。周辺に家もたくさん出来ていました。

 

  バタシアループを回っていくSL列車。ヒマラヤとダージリンの町をバックに・・・ガイド君の
  おすすめポイントなので、どこかで見たような写真です。皆、ここで撮影してます。

 

  僕が撮りたいのは、ガイドブックに載るような写真ではないと話して、町中に連れて行って
  もらいました。商店の前をかすめて走るSLです。そうそう、こういう写真がいいよね〜

 

  こんな風に道路の脇を建物の軒先をかすめて走っていきます。日本にも昔あったんです。
  こういう鉄道。上の太めの線は、電線ではなく、各家庭の水道管だそうです。山からそれ
  ぞれ引っ張るので、こんな状態になるんだそうです。

 

  道路を横切るシーンです。鉄道が最優先で、車が注意するので、事故は滅多にないそうです
  が、見てると、車がギリギリに直前に横断するんですよ。

 

  道路を横切って、本当に小さなガーダー橋を渡り、再び左の道路を斜めに横切る所です。

 

  上の写真の続きです。今、横切ってる所です。こんなに無茶苦茶な鉄道はありません。

 

  給水ポイントに停車する列車の遠景です。こういう所を縫うように走っているのです。

 

  一日3本の列車を全て追い掛け回して撮影しました。ここにアップする写真は、ほんの一部
  なんです。ガイド君も機関士さん達も、僕にあきれていました。そんなに好きなの?(笑)

 

  今度、いつ来れるか分からないし、撮影出来るだけ撮影しなくては・・・という気持ちでした。
  この辺の枕木は新しくて金属製(?)でした。

 

  枕木は、これです。駅の横にあったやつも、しっかり写真でおさえてありました。エライ!

 

  皆さんもあきれているでしょうから、鉄道の写真は、これくらいにします。これは15時半発の
  列車を見送ったところです。

 

  駅で遊ぶ子供たちです。僕も小さい頃、同じような遊びをしましたねえ。自転車のタガを棒で
  押す遊びでした。似たようなもんですね。

 

  この日は日曜日で、町には人が一杯です。撮りたかった制服姿の学生もいませんでした。

 

  チャウラスター広場です。僕の泊まっているホテルが奥に見えます。ここに隣接するカフェで
  明日の打ち合わせをする為にカフェに入りました。

 

  そのカフェの窓から見た夕日です。左に見える寺院は、なんとサイババの寺院なんです。
  打ち合わせで驚きの事実!来る時にキングフィッシャー航空の国内線のタイムテーブルが
  変わっていました。明日は、14時30分発の予定が、なんと8時半!!ここからバグドグラ
  空港まで3時間かかるので、3時出発という話に!!はああ〜

 

  いつも、そうですが、帰りはあっという間に時間が過ぎます。2時に起きて準備して車に乗り
  山を降りました。寒かった〜途中で見えた朝焼けです。

 

  ギリギリに空港に着いて、ガイド君とも運転手とも、まともなお別れも出来ないまま急いで
  チェックインしました。バグドグラ空港は軍隊が警備してて、検査が厳しく、ライターとボール
  ペンを取り上げられました。ライターは分かるけどねえ・・・

 

  帰りもアッサムのグワーティ空港で一度降りて、デリーに向かいます。上では左に見えてた
  ヒマラヤも、今度は右に見えます。さようならダージリン!また来るね・・・

 

  ちょっともう頭にきてて、ガードマンの注意も関係なく撮影したデリーのガンジィ空港。これ
  撮影して何が問題あるの?と食ってかかったら、両手広げてた。インドらしい装飾です。

 

  本来なら18時について0時発なので、待ち時間もそれほどではありませんでしたが、なんと
  12時前に着いてしまい、半日あることに・・・かといって町へ行くにはねえ・・・

 

  空港で待つかあ〜と思い、国際線ターミナルに入ろうとすると、ここでも軍隊がガード。チケッ
  トとパスポートチェック。自動小銃持ったやつがチェックしながら「お前の飛行機は明日だ。早
  すぎる」というのです。「0時は明日ではなく、今晩と日本では言うんだ」と言うと、「日付は明
  日だ」とゆずりません。「そりゃ日付は明日だろう。0時回れば・・・ここは俺の国ではないから
  12時間で町へ行って帰ってくるのは大変なんだよ」と説得。「それに空港内には仮眠するホ
  テルやカフェもある。何の為だ〜」と怪しい英語をまくしたてると、通してくれました。なんだよ〜

 

  ダージリンで人々が素晴らしかっただけに、軍隊や役人に、ものすごく腹が立ちました。それ
  でも「成せばなる・・・」精神で国際線ターミナルに入れました。あれだけ軍隊が厳しければ
  逆にコソ泥も居ないと思い、椅子で仮眠。仏様のご加護があったんだよねえ。(笑)

 

  深夜にデリーを発って、朝、香港の海が見えたときは、何故か嬉しかったんですよ。

 

  来る時も思ったのですが、やはり、香港の空港は素晴らしく、職員も店の店員も優しくて涙が
  出そうになります。(笑)朝粥食べて、飲茶食べて、もう大満足。僕の英語、色んな意味で通
  用するじゃんと思った旅になりました。ちょっと自信がついたぞ〜(笑)

 

  成田にあっという間に着いて京成スカイライナーから、スカイツリーが見えた瞬間。なんか
  寂しくなっていました。昨日の一日が航空会社の都合で無駄になった事が悔やまれました。
  でも、たった5日でも充分に楽しんだ旅になりました。嫌なことも時間がたてばいい思い出に
  なるでしょう。インド、リベンジするぞ〜っていうか、今回、インドの何も見てないよねえ。(終)

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  今回の旅行は、西遊旅行さんの個人旅行パック(航空機、ホテル・食事付き、、ガイド、運転
  手の手配込み)です。搭乗手続きや乗り継ぎなどは自分でしますが、空港を出れば、全て
  手配されてる、有難いパックです。11月末は安く、148,000円でした。他に一人の追加
  料金50,000円(2人以上は不要)、燃料サーチャージが60,000円(これは航空会社で
  違います、キングフィッシャーが高い!)、インドのビザ代などが掛かりました。インド国内は
  物価が安くて200USドルも使っていません。ほとんどガイドや運転手へのチップです。今回、
  初めて利用したキングフィッシャー航空ですが、ネットの評判(いい)とは違っていました。ラン
  クで言えばDランクの航空会社です。CAのサービスが悪い、壊れた部分をガムテープで留
  めてたなどなど・・・国際線ですよ。飛行機は、国内線がエアバスA320で国際線がA330で
  した。突然のタイムテーブル変更も含め、とにかく最悪の印象を持ちました。食事も軽食みた
  いでした。運悪かったのかもしれません。東京−香港間のキャセイパシフィックは、僕の中で
  はBランクです。デリーの空港は新しく立派なのですが、ソフト面でマイナスです。テロ対策も
  あるのでしょうが、外国人旅行客が普通に使えない空港って考えものです。器が立派なだけ
  です。インドに負けないくらいアバウトな色々な国へ行っているので、客観的判断です。(笑)
  インドの名誉の為に書き加えると、ダージリンは最高でしたし、仏頂面している空港係員や航
  空会社職員ですが、「ダンニャワード」(ありがとう)を使うと、皆、とても素敵な笑顔になりまし
  た。現地の言葉をもっと話せれば印象が違ってくるのかもしれません。