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 番外編 クスクスの蒸し方

 ■モロッコ・マラケッシュで食べたクスクス(スムールはサフランバター味)

  本題に入る前に言葉の定義をしておきたいと思います。クスクスをご存知の方は、
 とばしてお読み下さい。「クスクス」と普通に言った場合、料理の事をいいますが、
 本当は粒粒のパスタが「クスクス」です。そのパスタを使った料理は材料に関わら
 ず「クスクス」なのです。これはスパゲッティを考えていただけたら分かりやすいと
 思います。個々の料理名はあってもスパゲッティを使えばスパゲッティと呼ぶのに
 似ています。
  マグレブ3国(チュニジア、アルジェリア、モロッコ)では、区別なく使っていますが、
 文章上の混乱を避ける為、粒粒をクスクス・スムール(仏語)、料理になったものを
 クスクスとココでは言葉を決めておきます。
  クスクスは北アフリカの先住民・ベルベル人の料理です。同じ音が繰り返される
 という特徴があります。何千年もの歴史のある(一説では3千年とも4千年とも)食
 べ物です。クスクスという言葉は、一説には、それを
蒸す時の音からとも言われて
 います。ですから蒸してこそクスクスらしいといえます。

 クスクスの蒸し器は絵のように2段になっています。最
 初の仕込みは、石臼で挽いたデュラムセモリナ粉を少
 量の塩水で揉んで粒粒にします。それを
ふるいにかけ
 て粒の大きさを揃えます。それぞれのサイズのスムー
 ルを蒸した後に天日干しして保存します。この作業は
 一年に一度、家族の女性達が集まり、大量に作ってお
 きます。私達が市場で見るクスクス・スムールは、この
 状態の工場生産品が主です。一度、火を通しているの
 ですから、そのまま食べる事ができます。世界最古の
 インスタント食品かもしれません。この特徴を生かして
 欧米ではサラダに入れたりします。クスクス・タッブーレ
 (最近日本でもみかけます)という料理です。タッブーレ
 はシリア・レバノン地域の料理で、本来はかち割り小麦
 を使用したパセリのサラダです。

         市販されてるクスクスの蒸し方

  市販のものにはお湯で戻す方法が書かれていますが、こだわるのでしたら是非、
 蒸してみましょう!
  蒸し器を準備して(穴が大きい場合は布巾を敷いて)下でシチュウを作ります。
 煮込んでいる間、ボウルにスムール(500g)を入れ、オリーブオイル大匙2杯と塩
 ・小匙1/2杯を混ぜます。なじんだところで、水・カップ1杯(200cc)を混ぜ入れ、
 蒸し器に入れます。蒸す作業とソースを作る作業は別々でも構いません。
  5〜10分ほど蒸したら、一度ボウルに戻してほぐします。その後、もう一度、蒸し
 揚げて(これも勘ですが、目安は5〜10分)食べる前に200cc位のソースをから
 めます。バターをからめる方法もあります。
食べ比べると分かりますが、全然違いま
 すよ。箱に書いてある方法は、粉っぽくて、ふっくらさがない感じです。そんなに大
 変な作業ではないので、是非、蒸して戴きたいですね。