小鹿物語ー3

田                   ウグイ川線



                       滝越






<大鹿周辺>

小鹿淵が完成して、何かイメージが違う気が
します。それはバックの空です。左が本物の
写真(スバルさん撮影)です。ウグイ川がこの
先で分かれます。山が必要です。上の地図で
等高線から山が分かりますね。左がジャンク
ション側です。この地図はウグイ川線が交差
しない新しい姿です。(地図は下が北です)

セクションは切り取った風景とはいっても、本物を知る人には物足りなく感じるでしょう。
ここは是非、小鹿淵にふさわしい背景を作る事にします。木曽モジュール倶楽部でも、
公式規格が決まりました。背景もレール取り付け面から250mmで自由という事が決ま
りました。ジオラマの保護の為にも、僕は背景を付けます。

質問があったのでお答えします。エポキシは普通のエポキシ
接着剤です。今回は10分硬化を使いました。硬化時間が長
い方が作業しやすいようですが、ゴミが付きやすくなります。
この面積で2セット使用です。深さは重ねるといいでしょうし、
水面の表現はジェルで出来ます。あ、それと上の地図は国土
地理院の2万5千分の1の「王滝」からです。大鹿の地名は
ありませんが、地形からここだと判断(笑)しました。

背景には今回、模造紙を使いました。水色と黄土色です。B紙なので長さが1090mmで
足して1200mmにしました。接着はスプレー糊です。水分があると、しわしわになりますか
ら注意が必要です。何度も本体に合わせて鉛筆で下書きをします。一番目立つ淵の所は
同じ絵の具で描きます。このままでは「日本昔話し」みたいな状態です。

今回使った画材はクレパスです。小学生の時に使ったあれです。12色です。岩はねず
み色と黄土色、黒で表現しました。クレパスは塗り潰すのではなく、ささっと色をのせて
から指やティッシュペーパーで伸ばします。ぼやけた感じにする方が背景に合います。
決して銭湯の背景のように、くっきり描いてはいけません。あくまでも本体が主役です。

こうして本体とあわせながら色を加えて整えていきます。ポイントは風景は遠くなるほど
青っぽくなること、輪郭をぼけさせるという事です。カメラのピンぼけな感じです。偶然に
も橋の影が境になって自然なつながりです。もう少し描き加えます。向こうに見えるウグ
イ川線にDLの運材列車を描きたくなりますね。

これだけアバウトに描いた背景でも本体と合わせると感じが良くなります。特に
つながりの部分に注意をはらうと上手くいきます。背景をつける際の注意点が
あります。接続部分のネジをとめる為の作業穴(15cm直径の丸以上)とトンネ
ル内への穴をキチンと確保する事です。

ウグイ川線の部分にバック運転で運材
台車を牽くDLを微かに見える程度に
描いてみました。本当の写真ではウグ
イ川線は、もっと近くですが、遠近法を
強調する為に小さめにしました。

■クレパスを使った理由
 これもメールにお答えします。第一に
手軽である事、色が塗りながら混ぜれ
る。失敗しても削ったり(カッターとか針
で)ハイライトの表現も出来る。重ね塗り
も出来る。などが理由です。安いし(笑)

自分の中では完成したと思った「小鹿淵」でしたが・・・なんと、この時期に「木曽」のビ
デオを見てしまいました。モデルになった「大鹿淵」の雰囲気は全然違いましたね。この
ままでは木曽ファンに失礼ですね。やり直す事に・・・車両ならシンナーへドボンですが、
こういうのはコツコツと部分、部分を直していくしかありません。「何が気に入らないって」
言葉では上手く表現出来ないのですが。敢えて言えば風景の佇まいでしょうか。全部
やり直すのもツライので、一番、気に入らない植物と随道を抜けた右の部分を直します。

最初の直しは、モジュールの上流側の切り通しです。接続試験した時にバックする車両が
ひっかかった所です。原因はバラストの肩が盛り上がっていたからですが、それも石積み
の壁が線路に近すぎたせいです。それで角度が急になっていました。下の石積みと同じ
角度になりました。ついでに上下とも自然石積みにしました。わざとらしさが消えました。

初めて木曽へ行き、大鹿淵を見てき
ました。自分の作っているモジュール
の確認くらいの気持ちでしたが、しば
し呆然!まったく違うのです。まず、
橋のH鋼が太い、幅がある。淵の周
りの岩が垂直に迫っているなどです。
う〜作り直そうか・・・思案中です。小
鹿という名前にしてよかった〜という
気持ちも・・・

あの時のショックから、ようやく立ち直
り、上のモジュールを直す事にしまし
た。橋はそのままに、風景を変えます。

大鹿淵は木曽では有名なスポットで、皆さんの憬れも強く、お茶を濁して進むわけには
いかないと思いました。最低、風景の佇まいを本物に近づけたいと思います。
         
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