2003・軽田子鉄道

機関庫を作る

 3月にKMC(木曽モジュール倶楽部)のメンバーと、かの地を訪れてから、大鹿や
田島の機関庫や滝越の平沢商店の天井に心惹かれていました。30年以上たって
いるのに、香りだすような木の美しさ。何とか模型で表現できないだろうかと、悶々
としていました。塗装で、あの感じは出せそうにないので、何とか銘木を使いたいと
思っていました。いつも行く吉祥寺のY屋で面白いものを発見!閃いて、この機関庫
で試作してみます。その材料はチークの角材です。2mm角と1×3mmが何とか使
えそうです。チークと言えば、大型ヨットやクルーザーの内装に使われる高級材です。
高いイメージがありましたが、900mmの長さ6本入りで¥160です。(ムフ!)

したためていた図面(いつものように寸法が分かる程度のメモ書き)を元に2mm角材を
切り出しました。土台は3mm角のヒノキ棒です。本物の建築のように柱から作っていき
ます。模型の場合は、壁から作るのが早道なのですが、今回は訳あって、この方法を取
りました。後で、その理由が分かります。右の写真のような角度を決める定規を余りのベ
ニヤで作って決めていきます。チーク材はデザインナイフで切れますが、切り口をヤスリ
で仕上げておくと綺麗に仕上がります。

角度を決めて、作っていきます。構造は木曽の機関庫を参考にしました。柱の間は1間
半(33mm)です。屋根の高さは1間です。

下見板ですが、普通は板を重ねていきます。でも、今回、使う材料は1mm厚あるので
重ねるととんでもない状態になります。そこで間に0、5mm厚バルサを挟んで並べて
いきます。3mm幅は広すぎる感じですが、本物の下見板も色んなサイズがありました
から、よしとします。これで悩んでいた下見板の治具もクリアです。

機関庫のサイズは中に入れた2120で分かると思います。この機関庫は修理用という
より、停泊庫ですが、それでも、それなりの補修道具は必要なので、作業小屋や乗員
の簡易宿泊所を付けたいと思います。

窓が付く位置に柱を入れて、窓枠を作りました。戸の部分も作っておきます。残りはただ
ひたすら下見板を付けていくだけです。建物の角を何とかしなければ・・・・ログハウスみ
たいですねえ〜

下見板を全部貼りました。「犬小屋みたいだなあ」と独り言。角は角材を入れて解決しま
した。窓枠はエコーのエッチングです。メタルプライマーを吹き付けて、パフを吹きました。
汚しに入りました。チークの味を生かすために塗料は薄めで重ねて表現します。

使用した塗料です。タミヤのタンは土台のコンクリ表現です。ドライブラシでハイライトにも
使います。蒸気が使用している機関庫なので天井のススもしっかり擦りました。

後で作られた休憩室やら物置などをつけました。窓には1mm角のバスウッドを張りまし
た。機関庫の扉を作りました。私のズルい工作を紹介します。こういう扉は一枚づつ貼る
のも手ですが、どうしても厚くなります。そこで木目を斜めにした状態で0,5mmのバル
サ板を切り出し、扉の形にします。それから2mm×0,5mmで枠を付け、最後にカッタ
ーで切れ込みを入れます。簡単にリアルな感じを出せます。裏側の枠を付けるときに蝶
番を挟みます。

着色はゴールデンオークのニスです。蝶番は3mmの帯板を丸め戸に、0,4mm真鍮
丸棒を柱に鉤状に上向きに付けました。開いて上にあげると外れます。屋根はプラスト
ラクトの成形板です。煙抜きの部分も作りました。角材の組み合わせです。

屋根はタールの感じにしたくて、ダークアイアンを塗り、エコーの機関庫の煙突を付けま
した。ラストやハンブロールの62、63、70で錆を軽く表現しました。ほぼ完成です。ふ〜

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■機関庫の仕上げ

これじゃ尻切れトンボ!最後の所を詳しく説明して〜とメールを頂きました。ですね〜
気持ちが前へ前へと焦って、こうなるんですね。アップしている以上責任があります。
最後の仕上げについて書きます。煙抜き、窓、照明、雨樋など・・・

雨樋はプラストラクト社の半丸です。それに0,8mm丸棒に1mm帯材で柱に付けまし
た。屋根にも同様に付けます。こうした作業は面倒ですが、こういう事がリアリティを生
み出しますので、面倒臭がらず作業します。

煙出し部分は2×1mm角材を挟みながら、3×0,5mm角材を重ねました。照明は
碍子を3mmプラ丸棒で天井の柱につけて線を這わせ、ライトをぶら下げました。半田
はチョイ付けです。後で交換が楽な様にします。笠はエポキシです。

今度こそ完成!雪止めもつけました!