飯室駅を作る

 頸城鉄道を調べているうちに、ある駅に心が奪われてしまいました。それが飯室です。
コッペル2号機(あまりにも有名なカマです)が似合う駅です。一般住宅と較べると小ぶり
な佇まいが好ましいものです。駅に桜の大木があります。もう季節は決まったようなもの
です。小湊鉄道で感動したシーンです。上の写真はナローゲージブック2(機芸出版)のP
66にある橋本真氏の写真を基に作ったものです。(安田氏のホジ3の製作記事)
軽便とはいっても駅なので、モジュールは規格の1,5倍の長さにしました。927mmです。
そしてすでにお馴染みの接続部分工事です。1mm掘り込んだ後、接続レールがズレな
いよう、水溶液が流れ込まないように3mm角材を両脇に貼りました。
70mmのTOMIXレールを半分に切り、35mmの位置にゴム系ボンドで貼ります。間は
PECOのレールです。高さが違うのでアジャスター代わり兼、道床で2,3mmの板を貼り
ます。2,3mmは探すのが大変なので2mmの桧板と0,3mmのプラ板です。
モジュールが決まった所で、つま
り、土地の広さが分かったので、
建物の寸法を決めます。本物の
縮尺では厳しい事もあります。モ
ジュール寸法に合ったサイズで
作ります。色んな写真を基に寸
法をとったメモが左です。普通は
これを基に作ってしまうのですが、
今回は「とれいん」の記事の為に
少し清書しました。

飯室駅

この図は母屋です。隣は便所です。反対には作業用物置2棟と倉庫(米用?)井戸、給水
塔など盛りだくさんです。物置と井戸の前に桜の大木が3本です。母屋と便所の間には独
特のズングリした腕木信号機があります。軽便らしい佇まいの好ましい駅です。
駅のサイズが決まったのでレール工事です。自分で書いたポイントの図面をOHPフイル
ムにコピーして、裏表で左右のコピーをさらにとり、貼りました。ポイントは350Rですが、
枕木が国鉄の本線級の間隔です。(50kgレールポイントを参考にしたせいです)
枕木は軽便らしく3本から4本位の間隔で並べました。そうなんです。ハンドスパイクする事
にしました。規格はPECOのレールなんですが、この駅はどうしてもヘロヘロレールとクタび
れた枕木にしたかったのです。ポイントをDCC対応にしたかった事もおおきな要因でした。
側線の間隔は35mm(センター)です。枕木はエナメル塗料のジャーマングレイを15倍位に
薄めたものです。通常ですと墨汁ですが水分を嫌った(木がそる)結果です。
私にはすっかり馴染んだ作業です。レールはいつものME社のCODE55です。ポイントは
外からスパイクして、クロッシング部分(重要)を作り、トングレールと進んでいきます。今回
も「坊主岩」と同様に関節(ジョイナー)を付けました。詳しくはそちらを参考にして下さい。
ポイントのトングレールを外して(水溶液が流れると動きが悪くなる)バラスト(ヒルマ&KA
TOのミックス)をまき、いつもの春色スポンジミックスをまき、固めました。飯室駅の車止め
も作りました。斜めのコンクリートに枕木をカプラ-の位置に貼り付けました。
駅手前は米どころなので田圃です。こげ茶の紙粘土で畦を作り、田起こしした感じに。モジ
ュールの端は2mmのアクリル角材を透明接着剤で付けておきます。プライザーの農作業
の馬と人間で田起こししているシーンを作りました。日本人に見えるよう簡単な改造も。
頸城・飯室のあたりは桜が過ぎてから田植えじゃないかと思いました。桜が咲く頃の写真
では田起こしもしていない状態に見てとれます。田圃は稲刈りした後、年を越し、春先に土
を起こしてから水を張り、更に土を軟らかくするためにもう一度起こします。水に映るシーン
欲しさに、この作業を選びました。小湊では桜と田起こしが同時期でした。水はエポキシを
流しました。農機具は日本と違うのですが、ハイカラな家ということで・・・
水のヘリはつや消しのアースカラーを塗り、水を際立てさせました。草はフィールドグラス
です。グラスの植え方は3mm(直径)位の束を揉み(長さをまばらにする)植える方を任
意の長さで指ではさみ、ハサミで切り、そのままボンドを付け植えます。ピンセットで形を
整えます。さっき切った残りは切り揃えられていますから、また揉んで不揃いにして上記
の作業を繰り返します。電柱に絡むツタは山ゴケです。
草はただひたすら黙々と植えます。レール側面をハンブロールNo62で塗りました。電柱は
竹串を葡萄色(国鉄色)で塗って、電柱の素(梁に碍子が付いている)を貼っています。新
緑の広葉樹はオランダフラワーに葡萄色を吹き付け、乾く前にスポンジパウダーを枝の部
分だけに撒きました。
駅の第一歩は駅名標(くるまやシールと角材)と便所です。建物は基本的に建築模型材料
の下見板と角材です。着色は私の十八番、汚れた洗浄液です。瓦はヒルマ製です。

■飯室駅の工作日誌はつづく!

 しばらくアップをお休みします。木曾の山に木を伐採しに行って
きます。再開は8月半ばを予定しています。
               飯室駅を作る−2