ワールド工芸7500形を作る
順番が逆ですが、都電の色からのお話しです。ご存知のように黄色と赤は透過性があり、とても
難しい色です。真鍮生地にそのまま塗装すれば間違いなく失敗する色です。そのまま本来の色
を出そうとすると、塗料がボテボテになってしまいます。左が7500形、真ん中がムサシノモデル、
右がMODEMOです。MODEMOは色を塗り直しています。オリジナルのMODEMOは赤帯が
朱色すぎ、本体は黄色が強すぎます。ムサシノモデルは、さすがにツボを押えた色です。こうした
色々なメーカーの車両が混在するので7500形は、2社の中間色を選択しました。最初に全体に
通勤色(朱色1号)を塗り、クロームイエロー8に対して朱色1号を2で混ぜた色を吹き付けました。
下地の色を変えると発色が変わります。帯はまだ付いていません。色はムサシノとMODEMOの
中間くらいですね。マスキングしようと思いましたが、ステップが邪魔で難しそうなので、デカール
にすることにしました。
上の実車の写真は江戸東京たてもの園に保存されている7514号機、そして内装写真。
前の交通博物館の路面コーナーに飾ってあった7514号機の模型。
ワールド工芸のキットを作った事のある方には説明が不要ですが、もともとNが主力のメーカーな
だけに、キットはペラペラのエッチング板の組み合わせで出来ています。これを半田付けして強度
を出していくので、貼り合わせる前の車体など、取り扱いに細心の注意が必要です。怖いので袋
から出したものは、さっさと半田付けを済ませます。調子に乗って前面下の床板まで付けてしまい
ヘッドライトなどの取り付けに苦労しました。説明書ではA−1という部品です。屋根の上のパーツ
も付けて、キットのヤグラに汽笛工房のビューゲルを半田付けしました。これで架線集電の際には
車体に電流が流れる事になりますから、これからの絶縁に注意が必要です。
真鍮パーツを付けたら、今度はホワイトメタルパーツを低温半田で付けていきます。半田ごても
電圧を下げてあります。床下も同様の手順です。相変わらず、パーツはエッチングをパタパタと
折って組み上げるものです。山折、谷折があり、パーツによって違いますから注意します。間違
って反対に曲げ慌てて戻すと、ポキッ!ギャーという状態になります。
これより先の工作ポイントは11月21日の「とれいん」誌に書いていますので、アップは発
売後とさせていただきます。
■DCCデコーダーの搭載
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一般的なデコーダーの結線です。走行のみ でしたら必要なのは集電とモーターへの供 給の4本だけです。路面には是非ともDCC を導入してください。私の場合は架線集電な のでスイッチが必要になります。(下図)一般 的には6Pスイッチは必要ありません。 |
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別のページでアップした配線図ですが、ライト を追加しました。鉄道模型の原則は、アナロ グと同じく、レールの右が+の時に前進する ので、デコーダーの赤が右レールから、黒が 左レールからの集電になり、その時のライト は白が点灯します。青色はコモンで、黄色は 後進時点灯になります。私は680Ω1/4W 抵抗でLEDを点灯させています。1,5V球も 同じです。抵抗前の電圧は12Vです。です から12V球の場合は抵抗がいりません。D CCの良い所は、停車時でもライトの点灯、 消灯が出来ることです。 |
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上で黒丸の部分は説明済みで結線されて いるものとします。DH123にはフォンクショ ンが2回路付いています。緑と紫の線がそ れです。青線がコモンでそれぞれ12V出力 でON−OFF出来ます。室内灯やタイフォン などに利用できます。コントローラー側では ライトのオンオフはF0キー、フォンクション1 はF1キー、2はF2キーです。押すたびに、 切り替わります。勿論、無理に使う必要もあ りません。 |
ライトは点灯させるつもりでいますのでレンズが入っていませんが、ほぼ完成です。雨どいには
左の保存車両の写真を参考にエナメル塗料のフラットアース(XF−52)で汚しを入れました。
番号は10系統(渋谷−青山−四谷三丁目−市谷見附−神保町−須田町)です。デカールの
色は京急バーミリオンです。1系統が昔、相互乗り入れしていた時の帯が同じ色のように思い
この色を選択しましたが、結構、様になっているように思います。
7500形は青山車庫に配属になりましたから付ける番号は、6、9、10です。1972年に他線が
廃止されて荒川線に転属されたものを除きます。