2008年3月10日より記事開始 
                             沼尻のDC12製作記

  KBMC(軽便モジュール倶楽部)が2007年の4月に川桁で行った運転会は、地元の方に好評で、是非、今年もということに
 なりました。昨年は、準備などで手一杯!自分の車両を走らせようなんて余裕もありませんでした。今年はなんとか編成を組ん
 で走らせたいと思っています。(下の2枚の写真はその時の様子)

          

  手元にあるのは、モデルワーゲン製のDC12、セタ数両、田舎電車製造所製ボハ7、ボハフ11です。最低でもセタ3両と客車
 2両は牽かせたいところです。その為にもロッド式のDC12を改造して牽引力を上げたいと思っています。

  誤解のないように最初に書きますが、これは各メーカーへのクレーム記事ではありません。メーカーの車両は、それぞれの設
 計者のコンセプトがあって作られています。しかもお客は一癖も二癖もあるナローファン(失礼!)です。十人居れば十人の好み
 があって全ての人を満足させるのは不可能です。ですから、ちょうどいい落し所みたいな感じで製品化されるものです。もし自分
 の好みの車両にしたいのであれば改造が必要です。あれが気に入らないこれが気に入らないという意見は、単純にイコールで
 メーカーのキット批判ではありません。これを誤解される方が多くて、話だけが一人歩きするのは嫌ですね。車両の使い道も人
 それぞれでしょう。それに合わせて作るのがキット製作の醍醐味です。今回は、倶楽部のモジュール運転会用ということで、下
 記に注意して改造・製作したいと思います。

   1、DCC化及び点灯化。(運転会での視認性アップにもなる)
   2、牽引力を上げる為にギア比を落とす。(単純にウォームギアを変える方法)
   3、錘の補充。(前後のバランスも大事)
   4、ロッドの改造。(製品のロッドが好みでない為)
   5、集電ブラシの改造。(製品の踏面からの集電は運転会では不利)

  

 最初に主台枠を作ります。走りに一番影響する部分ですから慎重に・・・これは組み立て説明書ではないのでポイントだけ書き
 ます。モジュール運転では思わぬ段差があったりするので、車両下部のクリアランスが大事です。低いほうがカッコいい排障器
 もアダになったりします。動輪を仮に入れて見ると、ちょっと不安を覚える感じなので、動輪の上下動をセーブする帯板を付けま
 した。でもこの考えは浅はかでした。動輪を下方向に押さえると、動輪間のアイドラーギアの噛み合わせが浅くなるからです。

  

 どちらにしてもロッドがつく場合、あまり動輪が暴れない方がスムースになりますからブレーキテコの付いている押さえ板にクッ
 ションを付けて動輪軸箱の動きを最小限にしました。上下動が大きいと動輪の位相が違ってロックされる事があります。ただ左
 右の動きは遊びがある方が急曲線の多いナローには有利だと思います。

  

 保存されているDC12の下回り写真です。これを参考に洋白板を半田付けしてロッドを削り出します。左右の遊びはゼロにしまし
 た。第二動輪は曲線で不利になるのでフリーです。ロッドの裏側が踏面に当たるとショートしますので、念のためエポキシ接着剤
 でマスキングしておきました。台枠を塗ってギアと動輪を位相を合わせて組み込みます。レールを傾けるだけで走るように調整し
 てロッドも取り付けました。やはり軽く転がるように調整します。これが一番大事な部分です。引っ掛かりがある場合は原因を探
 します。今回、少しブレーキテコのデッパリが当っていました。塗料が剥がれているので気付いた次第です。

  

 下回りの慣らしをしている間に、モーターも慣らし運転をします。ブラシのアタリが出る前に負荷を掛けると、モーターのトルクが落
 ちやすいんです。慣らしによってモーターの発熱状態なんかもチェックできます。回り出した位の電圧で正回転(+にプラス電流)
 15分、逆回転も同じようにします。これをやったモーターとやらなかったモーターの最高回転を計ると、その違いに驚きますよ。昔
 電動RCカーのレースをやっている頃、この作業は当たり前でした。鉄道模型は速さを競う訳ではないので、つい疎かになりがち
 ですが、トルクも変わるので実践したい事です。モーターマウントを加工して、モーターを積んだ状態です。ウォームがキット付属
 のものより小さいので最高速度は劣りますが、走り出しがスムースで牽引力が上がります。デコーダーを積まないで直線及び曲
 線を走らせてショートや集電などをチェックします。大きな問題はなかったのですが、このギアの組み合わせには、マシマモーター
 は低速すぎるような気がします。でもデコーダーを積むと変わるのでDCC化してから検討します。

  

 上回りは説明書通りに組み立てましたが、ロストの痩せなのかボンネットカバーとラジエターの合いがスッキリしなくて、リベットを
 削る恐れがある上部分は、そのまま合わせ、下に0,3mm洋白板を半田付けして辻褄を合わせました。ヤスリで平らにし、結局
 0,15mm(半分)位の板になりました。集電ブラシのアイデアスケッチです。センターポンチで打ち出したポッチが動輪の裏を擦る
 タイプです。

  

 なぜかヘッドライトが入っていなくて(袋が破けていたので他に流用したんでしょうね)林鉄自治会の万能おわん型ヘッドライトを
 栗島牧場さんに譲っていただき装着!かっこいいです。色はロイヤルブルーと黒の混色、ほぼ黒に仕上げました。窓周辺の白の
 ラインは筆塗り・・・相変わらず雑な仕上がりになり自己嫌悪です。トラ塗りは珊瑚模型のセキ3000用に付いていたインレタを使
 いました。窓枠をはめれば取り敢えず完成です。

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