シリア・ヨルダンの旅−2
                    <シェフの独断と偏見に満ちた旅行記>

■2日目 ダマスカス観光&パルミラへ

    

  夕べの雨が嘘のように晴れた朝を迎えました。旅行に出ると早起きになって散歩をしてしまいます。
  通勤の人や学生が行き交う街を散策しました。ダマスカスはなかなかいい街です。

     

  朝食後、国立博物館へ、中は撮影禁止なので中庭から見えたトルコ・スタイルのモスクを撮影、写
  っているのは僕です。夕べ買ったカフィーヤを首に巻いての記念撮影!国立博物館はシリア全土で
  発掘されたものが展示してあります。有名なウガリットの粘土板とかがあります。世界史や考古学の
  知識がないと面白くないですよ。高校の教科書なんかに載っていた現物があるんですから。

    

  街中を走ってウマイヤドモスクへ向かいます。左はヒジャーズ駅。現在は鉄道駅としては使われてい
  ません。ヒジャーズ鉄道はオスマントルコがサウジのメッカまで作ろうとした有名な鉄道です。「アラビ
  アのロレンス」の映画に爆破シーンがあったのを覚えている方も多いでしょう。

    

  ダマスカスも車の渋滞がひどく、ご覧の通りです。夕べも歩いたハミディーエ・スークを抜けてモスク
  へ歩きました。昨日来ただけですでに我が物顔です。アーケードの鉄骨が美しいですね。

    

  早く行かなければいけないのに、僕が買ったカフィーヤをツアー同行の皆さんが欲しいと言い、ウチ
  のママが片言のアラビア語で値段交渉!「まとめて買うから安くしろ」と粘る。ああ〜気が気じゃない。
  慌てて他の皆さんに追いつきました。行き先はモスクでなくてアゼム宮殿でした。

    

  オスマントルコ時代、ダマスカスの統治者だったアッサード・パシャ・アゼムの邸宅だった所です。
  トルコ式の建物はシリアの玄武岩などを使って美しく、落ち着いた佇まいでした。中は撮影禁止。

    

  展示品は当時の様子を再現したものでマネキンが怖い!中でもトルコ風呂は必見です。その迷
  路のような構造が面白かったです。中庭はノンビリとお茶したい感じでした。

    

  ここで昼になったので食事に向かう事になりました。博物館で時間取ったんですねえ。こんな路地
  を抜けてレストランへ向かいます。普通に生活している空間は素敵です。

     

    

  ウマイヤド・パレス・レストランは、やはりオスマントルコ時代にお屋敷だった所、地下に降りると、
  色々な調度品が飾ってありました。料理はホテルよりマシ程度。まあ普通でした。右の皿の丸いの
  はアーティチョークの詰め物。期待していましたが、がっかり。ちょっと煮込み不足で硬い・・・

 

    

  それから本日のハイライト!ウマイヤドモスクへ、夕べ見たローマ遺跡の柱があるスーク入り口を
  見ながら北門へ向かいます。外国人は皆、ここから入ります。それと女性は全員、鬼太郎のねず
  み男みたいな格好をさせられました。

    

  なんと美しいモスクでしょうか・・・モザイクが残っているところは光を浴びてキラキラとしていました。
  僕はガイドのモハメッド君にカフィーヤを頭に巻かれて入場。イラクから来た観光客に写真を撮られ
  ていました。

 

  渾身の一枚。ウマイヤドモスクは、名前から推察できるようにウマイヤ朝時代(715年)に建てら
  れたモスクですが、ここは紀元前2000年にすでに聖域とされ、その後にヨハネ教会があった場
  所だったそうです。イスラム時代、そこへこのモスクを建設したのです。パワースポットですね。
  
    

  中も撮影が可能なので感度を上げて撮影してみました。右の緑の廟は聖ヨハネの首が納められて
  いるとか・・・キリスト教徒も訪れる聖地なんですねえ。

    

  ねずみ男の格好をした皆さんが写真撮影している姿が可愛かったので一枚!それと僕らを物珍し
  そうに見ていた地元の男の子もパチリ。

    

  外に出ても呆然としていました。いやあ〜すごいものを見ました。モスクの外では秋葉原みたいな
  実演販売。野菜を色々と切る道具を売っていました。欲しいと思っていたら警察が来て、この人は
  店をあっという間に畳んでいなくなってしまいました。残念。ズッキーニとかナスをくり抜くやつが欲
  しかったなあ。

 

    

  ダマスカスをまだ見たい気持ちを抑えつつ、夕方、パルミラへ向かって出発です。東北方向に走る
  こと30分足らずでシリア砂漠の真っ只中に突入です。何もない砂漠の美しさに、いつも感動します。

    

  トイレ休憩で寄ったカフェ、名前がなんとバグダット・カフェ。バグダットへの道の途中にあるからな
  んだそうです。あの映画の曲が頭の中で流れていました。ここのオヤジはなかなかの商売人です。

    

  パルミラのホテルにつく頃には夜になっていました。そして停電(笑)。電気が点いて遺跡がライトア
  ップされているので、食事もそこそこに憧れのパルミラ遺跡の散策に出かけました。

    

  ようやくやってきました。世界遺産の番組で散々見ているとは言っても感動します。ちょうど月が半
  月で言葉に出来ない風景を見せてくれました。ああ〜三脚を持ってくるんだったと後悔・・・

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