シリア・ヨルダンの旅−４＜シェフの独断と偏見に満ちた旅行記＞
シリア・ヨルダンの旅−４
＜シェフの独断と偏見に満ちた旅行記＞
■４日目 パルミラ＞＞クラックデシュバリエ＞＞マアルーラ＞＞ダマスカス
朝焼けのパルミラ遺跡を眺めながら食事をしてバスに乗り込み移動です。パルミラからホムスへ抜け
ました。途中、土で作った三角帽子のような建物がありました。農機具小屋だそうです。
ホムスを抜け、更に地中海の方へ走るホムス渓谷は緑一色。砂漠の赤茶けた色を見慣れた目に
眩しく写ります。ホムスから約５０ｋｍ西が地中海です。豊かな農村地帯です。十字軍が占拠した
のも頷けます。
かなり急峻な山の上に建つクラックデシュバリエは、１１４４年に聖ヨハネ騎士団が本拠地にした城
です。１１８８年エルサレムを陥落させたアラブの英雄・サラディーンでも落とせなかった城です。
城の中は馬や兵士が何ヶ月も暮らせる設備が整っていたそうです。それで侵入は難しい難攻不落
の要塞です。中はヒンヤリとした空気が流れていました。
迷路のような城の中には、あちこちに石の扉が落ちる仕掛けがあります。いざ侵入しても進むのが
難しいのです。ウネウネと通路を通って城の中庭に出ます。青空が眩しく感じられます。
中庭にも堀がありました。侵入者を防ぐ色んな工夫がされています。当時なら石とかも飛んできた
でしょうね。上の塔とかから・・・想像すると怖いですねえ。
城に水を引き込んでいた水道橋です。塔にあったイスラムのミフラブ（メッカの方向を示す）が色々な
時代でこの城を使った事を教えてくれます。
外壁の上を警護している気持ちで歩くのですが、これが結構な高さです。上から見るとこんな絶景
が広がっています。山肌に雲の影が映っています。ここがシリアだという事を忘れそうでした。北側。
城の中の教会跡です。フランスのシャルトルなどの教会と同じゴシック建築の様式が見てとれます。
サンドニ、ノートルダム、ルーアンなどで見た事を思い出していました。中世の世界に迷い込んだよ
うな錯覚にとらわれました。
あまりにも高い所ばかりを歩き回ったせいか、少々酔ったような状態になっていました。目を回して
落ちないように用心！用心！です。それにしても絶景。東側を望む。
西側です。左の雲のあたりは地中海です。残念ながら今回はオアズケ・・・山の向こうに塔が見える
のですが、当時、敵が攻めてくると狼煙を上げて知らせる為のものだったそうです。
今は工事中で食べれなかったのですが、お城の中にレストランがあるそうです。そこを経営する
同系列のお店でお昼ご飯です。ここの料理は今回の旅行で一番美味しかったところです。見た目
でも伝わってくると思います。夢中で食べていたのでカバブ類の写真はありませんが、絶品でした。
クラックデシュバリエから南のダマスカス方向へ１６０ｋｍ走った所にマアルーラがあります。アンチ
レバノン山脈の荒涼とした渓谷です。（ダマスカスからは５６ｋｍ）住人の多くがギリシャ・カトリック
教徒で、イエス・キリストが話していたというアラム語を今でも使っている村です。
丘の上にある聖セルジウス修道院と、そこから見下ろした渓谷の様子です。この修道院には世界
で最も古いと言われる教会があります。古いイコンなどが残されていました。
聖セルジウス修道院から見下ろした聖テクラ修道院です。丘の上にキリスト像が見えます。聖女
テクラは異教徒の迫害から逃れ、この渓谷まで来たのですが、岩山に阻まれ行く手をなくします。
彼女が祈ると岩が裂けて道が出来たという伝説が残っています。
その裂けた岩山という所を歩いて修道院に向かいました。ぺトラの前哨戦くらいの気持ちでした。
聖テクラ修道院です。聖女テクラの墓があって、聖水が岩から流れているそうです。僕は中には
入らず、外のみやげ物屋でお茶していました（笑）フランスに居た頃、ルールドという奇跡の泉の
ある所でアルバイトしていたのですが、なんか内に居ると興ざめする話です。信じるものは救わ
れる。まさにその言葉通りなんだと思います。ダマスカスへ向かう途中、夕日が綺麗でした。
ダマスカスは一日目に泊まったホテルでした。シェフ達がサービスしてくれた鶏のクリーム煮が美味し
かったです。ここで久しぶりのアルコールとアラクを飲んだのですが、これを割った水、ミネラルウォー
ターでなかったと思います。お腹が・・・
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