シリア・ヨルダンの旅−7
                    <シェフの独断と偏見に満ちた旅行記>

■7日目 ぺトラ観光

  パルミラもそうでしたが、このツアーは、有難いことにぺトラ観光に丸一日さいてくれます。長年、
  来たかった場所です。夕べのキャンドルナイトは夢の中の話だったような気がします。

 
  
  旅行も残り少なくなってきました。やはり、朝早く目覚めて散歩しました。ホテルから見えるぺトラの
  岩山です。朝焼けに染まっています。なんと贅沢な眺めでしょうか。

    

  ツーリスト・インフォメーション前に飾られた前フセイン1世国王と現アブドゥッラー国王の写真。中東
  では国家元首の写真がこうしてあちこちに飾ってあります。ヨルダンでは国王は国民に愛されてい
  ます。いよいよぺトラに向かいます。シクまで馬車や馬に乗っていけますが、僕は歩きました。

 

  チケットをチェックするゲートがあってオープン状態(誰でも入れるという意)ではありません。真ん中の
  石積を境に右が歩行者で左が馬車や馬用道路です。晴れてよかった〜

    

  途中にオベリスクのある岩がありました。1,5km続くシク(岩の裂目)は自然のものでも不思議に
  思っていました。これ最初は川だった場所なのです。水によって侵食された裂目なのです。その川
  の流れをシク直前で変えて通路にしたのです。右の写真が流れを変えた跡、トンネルが掘ってあ
  ります。恐るべしナバタイ人!

 

  シクの入り口。当時はアーチがかかっていたそうで柱の跡が右の壁にあります。ガイドブックにぺトラ
  はナバタイ人の都市と書かれていますが、人の住む街ではなく、霊魂の街というのが近年の定説で
  す。生きている人が住んだ場所は他にあったそうです。ここにあった門は死後の世界の入り口だった
  という事になります。

    

  シクの中はこんな感じで続いていきます。光が乱反射して不思議な色合いになります。左の掘った
  跡は水を引き込むための水路があった場所です。
 
    

  ところどころに広い場所があったり、ダムの跡があります。これは近年、洪水で人が流された事故の
  後に作られたものですが、元々は川だったのでナバタイ王国時代にもダムがあったそうです。

    

  こんな岩山を進んでいると前方で歓声が聞こえました。有名なエル・ハズネです。宝物殿と呼ばれ
  ているのは一番上にあった壷に宝物が隠されていると信じられていたからです。

    

  壷を割ろうとライフルで撃った弾の痕が山ほどあります。この建物自体、岩をくり抜いた彫刻ですから
  壷も岩をくり抜いただけのものでした。宝物殿の横に足場が彫られています。上から削っていったそう
  です。監視する兵隊がカッコいいのでアップで撮影。

 

  エル・ハズネ側から見たシクです。あの裂け目から観光客が扇状にワ〜ッと出てくる様子は笑えま
  す。まあ自分たちも、さっきまでその一員だったわけですが・・・中には何もありません。

    

  エルハズネから奥に進むと岩をくり抜いた建物が右に左にと現れます。人やロバからその大きさが
  分かります。ファサード通りと呼ばれているところです。

    

  途中にビンの中に砂で絵を描く店があって実演してくれました。黒い砂を入れて針金で脚とかを表現
  するのです。なんか僕にも出来そうな感じです。店の名前をアラビア語でオーダーしました。

 

  観光客を乗せるラクダやロバが一杯います。乗らなくても写真撮影では絵になります。遺跡よりも
  地元の人ばかり撮影していました。

 

  王家の墓と呼ばれる一群。その下にはカフェ・レストランが営業しています。この時期でも人が一杯。

    

  ペトラの岩は縞模様になっています。光によって色合いが変わっていくのが、とても綺麗でした。ロバ
  でお客を探しています。普通、ロバはおとなしくノンビリした動物だと思っていましたが・・・

 

  すごい勢いで飼い主から逃げて喧嘩するロバを見ました。前足でパンチ!やられた方はガクっとなり
  ましたが、すぐに応戦!二頭、この後も喧嘩しながら逃げ回っていました。その早いこと早いこと!

 

  休憩する物売りの子供たち、観光客からもらった蜜柑を食べていました。僕のあげたキャンディはポ
  ケットにしまいこんで・・・

 

  ぺトラがローマに支配されてから作られたローマ遺跡です。本当にローマ遺跡はどこにでもある感じ
  ですね。奥の山はラクダ山と呼ばれているそうですが、ふたこぶラクダだなあ・・・

 

  ローマ時代の凱旋門跡、かなりの大きさです。建設当時は見事な建造物だったのでしょうねえ。

    

  昼ごはんを食べた後、山の上にあるエド・ディル神殿を見に行くことに。階段があるのですが、約800
  段とか!途中に落ちたと思われる岩が・・・なんか怖いです。

 

  登れども登れども、まだまだ続く階段。ロバに乗る気持ち、分かるような。それにしてもロバはすごい。
  この急勾配をあんな大きな人を乗せて登るんですからね。

    

  まだまだ先は長そうです。所々、広いところにお土産売り場があります。子供がかわいいので一枚。

     

  かなりの高さまで登りました。谷があちらこちらに広がっていて怖いです。まだかいなあ〜

    

  人工的に削った切り通しがあって先にカフェ(白い建物)が見えたと思って振り返ると、45mの高さが
  あるエド・ディル神殿が目に飛び込んできました。このインパクトはエル・ハズネを上回っているかも・・・

 

  エド・ディルは高さ45m、幅50mとエル・ハズネを上回っています。ナバタイ人の神殿だったのですが、
  この周囲に以前、修道士が住んでいたというということからディル(修道院)という名前をつけたとか。

 

  更に山を登って撮ったエド・ディルの遠景。映画のシーンに使いたくなるような非現実な風景です。

 

  エド・ディルから更に山を登った所にビューポイントがありました。かなりの高さで絶景です。
 
 

  山のピークには山小屋ならぬお土産物屋があって、おそらく荷物を運んできただろうロバが。彼の
  後ろは断崖絶壁!間違って落ちることはないのかい・・・と心配になります。

    

  登りは、まだかまだかという気持ちで、長くツラク感じたのですが、帰りは距離が分かっている分、楽
  でした。お土産物屋さんをのぞく余裕すらあります。

 

  こんな岩場でも子供は遊びます。雰囲気的におままごとかな。中東情勢を議論してるんだったら怖い。

 

  戻ってきました。戻る時間です。あと2km位かな。午前中と光が違って別の表情になります。

    

  エルハズネの所まで戻ってきましたが、逆に歩くと風景が変わって新鮮な感じでした。夕方の光です。

    

  エル・ハズネも見納めですねえ。ピンクに染まって朝とは別の表情を見せてくれます。僕とママ。

 

  ぺトラは楽しかったです。一日じゃ足りない気がしました。贅沢な話です。ホテルに戻って沈む夕日
  を見ていました。今晩のご飯はベドウィン・ディナーです。

   

  
真っ暗な中をバスが走って着いたのは、ライトアップされた岩山の中でした。アリババと40人の盗賊
  みたいなシチュエーションです。テントの中ではベドウィンの音楽の演奏があって、アラビックコーヒー
  を一口振舞われました。

    

  マクルーバ(ひっくり返すの意)という炊き込みご飯とトマト煮込み。どちらも美味しかったです。

    

  デザートのお菓子はクッキーのような焼き菓子。名前を聞きそびれました。サラダバラディも美味でし
  た。ベドウィンディナーは、観光化されたものですが、概してレベルが高いと思いました。

 

  こういう雰囲気の中で食べたんです。ああ残り2日、なんか淋しくなってきました。

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