On2 1/2で木曾森を! No,1
「ティファニーで朝食を!」みたいなタイトルですが、初めてのOナローで、ちょっと勢い込んで
います(笑)On2 1/2って日本では表記する事が多いのですが、これOn30(1/48 16,5
mm)なんですよね。厳密に言えば1/45が日本型でOn2 1/2と表記したんですね。きっと。
本当にややこしい。
今(2009年6月)とれいん誌カルタゴサロンで連載をしています。車両がないので、とりあえず
車両製作記で始めました。本番はミニ・レイアウト製作記です。これ今年の軽便鉄道模型祭に
出品予定です。
祭りでOナローの出展は多いのですが、HOnに比べて画一的な感じがしたんです。うまく言
葉に出来ないんですが、HOnには出来ないOnならではの何かが欲しいと思ったんですが、
これ、出展者に喧嘩売ってるようになってしまいました。そんなつもりは毛頭なくて、単純に
何かが欲しかっただけなんです。Onに発展して欲しいから・・・
「だったらお前がやってみろ!」
皆さんは大人なので、こんな啖呵はきらなかったのですが、そういう気持ちはメールとかで
ガンガン伝わってきました。ごめんなさい。尻拭いも含めて僕なりに作ってみます。「なんだ
たいした事ないじゃないか」と言われるでしょうね。(25・6・2009)
●車両のこと
そんなんで最初に作ったのが、ペアハンズのホイットコムMO型3t!メーカーの説明書では、
1/48なんですがデフォルメしているとの事。エンジンボンネットが広い以外はイイ線いってる
から勿体無い気もします。走行系の制約があるわけではないのに・・・(走行系は天賞堂の
パワートラック)ホイットコムは森林鉄道で日本初の内燃機関です。古い車両なのでガンガン
汚しを入れています。(西さんの木曾谷の森林鉄道によれば大正10年)
こいつの製作記は記事にしたので、ここでは触れなかったフィギュアの事です。幸いタミヤから
1/48のミリタリーものが出ています。(ミリタリーの多くは1/35)アメリカ兵を木曾の運転手に
改造!ヘルメットの縁を平らにして鼻を低く、手足を短くします。なんか悲しくなってきます。この
アメリカ兵キットにはJeepもついているので、そいつの運転台を移植しました。ホイットコムは
アメリカ製だからねえ(なんという言い訳)HOnと違い、目なんかも入れないとサマになりませ
ん。首にかけてるタオルはティッシュ製(ボンド水溶液で固着)です。これで1600円!プラモデ
ルは安いなあ・・・Jeep、ドラム缶、ジェリ缶、人形8体など多数アイテム入り!
フィギュアの改造や塗りに関してはミリタリー誌を参考にしてください。お勧めは隔月刊誌「アー
マーモデリング」(大日本絵画発行)一冊買うだけで、目からウロコ・・・間違いなしです。パテは
脚を切ったのを修正する為です。このポーズがあるのではなく、他のパーツを付けてオリジナル
な形を作っています。右が完成写真です。日本人に見えれば改造は成功です。
珊瑚模型(中西工房製)の鋼製運材台車(正式には貨車)はロストの塊です。MWと双璧かな。
構成も似ています。仲間の話ではオレカンなんかに比べて大きいらしいんです。この形から岩
崎レール製の後期型だと推察します。実物の本体は1600×1120、模型は36×25mmです。
やはり1/45ですね。理由は酒井ではなくBWに合わせて作ったからだそうです。酒井は1/48
です。酒井5tの軸心距離、本物は972mmで模型は20mm(電卓で20,25)ですからね。
その酒井5tは、とれいん8月号のネタなので詳しくは書けませんが、ともかく苦労しました。仲
間の話では、このキットは初期型で後に再発売のキットは、ダルマヤ製の走行ユニットが入っ
ているそうです。そういえば持っているプリマウスにはダルマヤが入っていました。エンジンの
手前にあるバイブモーターは、結局、使いませんでした。W工芸のモーターでファンだけ回す
ようにしました。これでも微かに振動するので目的は達成です。
ホイットコムと同じくMRCの小型DLサウンドデコーダーを積んでいます。スピーカーは別売りの
18mmです。Onとは言ってもスペース的に結構シビアでした。ところで珊瑚の酒井5tは何号
機がモデルになったんだろうという話になりました。最初は95号機に近く感じたんですが、台枠
のロゴがSAKAIWORKSと連続しています。これで91号機かなと思ったら大間違い!コンプレ
ッサー前の板が上までありません。クリーナーや排気管などが手掛かり。91か95かといえば
95号機に近いです。特に屋根がせり出している所とかも。(91号はツライチ)そうなると皆さん
は95号機風に仕上げる訳で、へそ曲がりの僕は91号機にしようと二重屋根やコンプレッサー
前の板延長などをしました。左前輪上のリベット10個のある板も特徴です。これは0,2mm真
鍮板にコンパス針を押し付けて打ち出しました。色を王滝色にしたんですが、91号機はもう少
し濃い緑でした。しかもキットは後ろ窓が2枚!う〜ん奥が深い!そんな訳で、僕も91号機風
になってしまいました。関係ない話ですが、背景は大鹿と黒淵の間のうぐい川です。
●レイアウトのこと
製作予定のものは、レイアウトというよりもミニパイクです。こうしたものは、どうしても平面的な
構成になってしまいがちです。木曾森ということもあって、小さいながらも山の中を表現したいと
思っています。助六のオメガと5段ティンパーの間をイメージしています。
いつも利用しているファストトラックス社にOn30の枕木とPCボードを注文しました。作業軌道
にしては、ちょっと立派な枕木です。1/48換算で木曾の2級線の枕木は29,2×2,5×1,9
mmですが、製品は39×3,7×2,8mmです。1級線規格ですね。長さは作業軌道では橋梁
規格ということで、このままでも許されますが、地面では30mmに切りたい所です。結構、在庫
のあるME社のCODE55を使おうと思っていましたが、この枕木ではCODE60の方がいいか
もしれません。悩むところです。
テストでCODE55を打ってみました。やはり枕木とのバランスが悪く感じます。DLとのバランス
は作業軌道らしくて好きなんですが・・・スパイクはME社のマイクロスパイクがバッチリですね。
HOnでは頭などをカットして使っていましたが、今回はこのまま使えます。
簡単にティンバーを組み様子見です。バルサ丸棒6mm径なんですが。ちょっと太い感じです。
5mmに変更ですね。面倒な事をすると思われるかもしれませんが、こうしたテストショットによ
ってイメージが決まるので、僕はとても大事な作業だと思っています。スケール通りに縮小して
も、本物のイメージにはならない所が模型の面白さだと思っています。切り出した材木で組んだ
作業軌道ですから、4〜6mmの丸棒を組み合わせて使うのがいいかもしれません。テーパー
やピラニアでの表面の粗しなど、少しオーバースケール気味にした方がいいかもしれません。
プラン図1です。サイズは1200×600mm、これくらいだと線路配置の選択はそれ程ありませ
ん。DCCの有利さを使い、ポイントはスプリングポイントで一方通行です。手前に交換ヤード
があって山を回りこんで作業軌道に入ります。それぞれ積載と空運材を交換させようという算
段です。展示時には作業軌道側が表になります。ヤードは模型の作業場所です。最小半径
は250Rです。実際のスペースで見ると運材は5セット(積載)連結出来ます。
プラン図2、サイズは900×600mmです。このプランでは200Rが最小半径、朝顔連結には、
かなりキツイかもしれません。台枠の高さは200mmで実物でしたら10mになります。山を入
れると作業軌道側は15mの高さがあることになります。迫力は充分だと思います。問題は車
両がうまく走れるかという事です。横幅がないのでポイントはカーブポイントになりますが、ハ
ンドスパイクなので大きな問題ではありません。運材は3セット(積載)が限界でしょうか。
よくよく考えると、200Rなんて実物ではいくらでもあった事なので連結棒を長く作れば何とか
なるかもしれません。それよりも僕の場合、頻繁に動かしたり搬送します。両手を広げて一人
で運べる大きさが重要です。重量も軽く作らなければいけません。色々考えて、最終的にプラ
ン2で作る事にしました。
ベニヤ板に200Rの線を引いて車両を置いてみました。見た目、心配していたほどではなく、逆に
問題ない半径だと思います。150Rでも大丈夫だと思いました。半径に余裕があると線路曲線も
少し変えて自然な感じに出来ます。(走らせるのが2軸車両だけですから)
早速ベースになる台枠を作ります。結果的に900mmサイズは既成の板が使えるので切断の
必要もなく、簡単に出来ました。板は最近よく使うファルカタ集成材というものです。分厚いバル
サみたいな板で、軽く加工しやすいのが長所ですが、柔らかいのが難点にもなります。今まで
使ってきた経験から、木工ボンドとガムテープで仮組みして、竹釘(焼き鳥の串)でとめていま
す。木ネジだと割れたり板が崩れるように潰れます。
U太さん方式の作業軌道 これがベースになる基本構造です。台枠に ウレタンフォーム(50mm厚)を挟み竹釘で 固定しました。木曾の2級線の道床は200 cm幅×20cmですから、4mm厚のシナ合 板を40mm幅を基本に切り出して、ヤード 部分に貼り付けました。作業軌道側も線路 より少し狭い幅(15mm)に切り出して貼り 付けました。丸棒は垂れ下がらない為の仮 の支えです。 この方法はKMCメンバーのU太さんが教え てくれたもので、線路の高さが狂わないで ハンドスパイク出来る優れものの工法です。 丸棒を両脇に貼り、ティンパーを構築して、 渡り板を貼ると板は見えなくなります。切り 出すのが面倒に思えますが、後の作業効率 が違います。このミニレイアウトは勾配がな いので、まだ効果が少ないのですが、オメガ カーブで勾配がある場合などに威力を発揮 します。 |
枕木を並べてました。作業軌道部分はそのままの長さ(39mm長)で、道床部分は基本30mm
です。ポイント部分は当然長くなります。発泡スチロールでおおまかな地形を等高線で切り出し
貼り付けました。その後、ホットナイフ(半田ごてにナイフ状の先端が付いたもの)で形を整えま
した。地形を作っていく前に3ヶ所支えを入れておきます。これで軌道が垂れ下がりません。
軌道の白い帯は0,3mm厚の紙で軽くカントを付けています。
7月25日現在、プラスタークロスを貼って、足場を組みました。助六などで見られた釘などを
使わない方法です。右はボルトやカスガイを使ったタイプと作り分けをしました。模型的に見て
いるだけで楽しいので左右を変えました。
左側は薄墨での着色が終わった所です。古い所を表現するにはこれくらいでいいかもしれま
せんが、作業軌道はその辺から伐採した木で作る臨時のもので、比較的、木は新しい感じ
だと思うので色を加えます。右が水性ステイン(チーク)を薄く溶いて更に着色した部分です。
切り口まで染まってしまっていますから、最後にパフ系で新しい感じの切り口にする為に着色
するつもりです。足場がしっかりしたのでいよいよハンドスパイクです。
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