On2 1/2で木曾森を!                            No.3

                          ■フィギュアの話

 

  話は飛びますが、最近、買ったタミヤの1/48フィギュアセットで使えるものがあったので
  ご紹介します。ドイツ戦車兵・野戦整備セット(ITEM32547)です。写真にあるような小物
  (開閉状態のツールボックス、ハンマー、万力、金とこ、オイル差し、バーナー、ツールキット、
  工具袋、ジャッキ、クランク、作業机、脚立、オイル缶、一斗缶、木箱、バケツ)が入ってい
  ます。鉄道模型にも使えるものばかりです。

 

  早速、組み立ててみました。さすがタミヤです。形に破綻がありません。一斗缶を砲弾を
  持ち上げる兵士に持たせると・・・う〜ん、あのシーンですね。アメリカ兵のヘルメットを
  被せれば木曾です。ご存知のようにドイツ軍ヘルメットは特徴がありすぎて工事現場の
  ヘルメット改造は困難ですよ〜。

 

  あのシーンというのは、これです。KMC仲間のU太さんの写真にあった大鹿での給油シーン
  なんです。その写真で給油されているのが91号機だったんです。こりゃ作らなければという
  ことで・・・うちのママのアドバイス「背中にスリットを入れると、兵隊から作業服になる」と言
  われ、やってみたんですが、もっと深くても良かったかも・・・スミイレすれば変わります。右上
  はU太さんの写真のアップです。漏斗(アルマイト?)を使っていますね。

 

  別の角度からもう一枚!自画自賛ですが、すっかりお気に入りです。

  

  左の写真は、アメリカ兵の改造で詰所から坂を降りてきて機関庫の方を気にする風です。
  機関車が居ても違和感のない感じにしました。右はドイツ兵の改造、上の写真でも使って
  いるものです。スバル360のタイヤを交換中。ジャッキや工具袋を傍らに置いて、それらし
  くしてあります。車は1/43なのですが、スバルは小さいのでスケールの違いが目立ちま
  せん。車用のプライザーのフィギュア(1/43)を置くと、巨大な人になります。

 

  アメリカ兵の改造です。なにやら話し込んでいる風にしました。何かの作業をしていた感じ
  です。後ろの機関庫は気付いた方も多いでしょう。滝越のあったものがモデルです。

 

  フィギュアの話の最後にミリタリージオラマの話をします。No,1で専門誌を読むと「目からウロ
  コ」という話を書きました。その本に出てくるテクニックを実践すると尚更です。僕も嫌いでは
  ないので「ケッテンクラートと電源車」(タミヤ1/48)を記事を参考に作ってみました。顔の表
  情とか、全然違って見えます。HOならフレッシュのベタ塗りでも済ませられるのですが、この
  大きさでは陰影や目鼻や口などの表現が必要になります。覚えたテクニックをなんとか鉄道
  模型にもフィードバックしたいものです。上のオジサン達を塗り直したいですね。

                            ■植物の話

  

  No.2でも書きましたが、Onでは、その大きさゆえに植物で悩みます。樹木は勿論ですが、
  草でさえ種類の違いが分かるからです。何となく雑草という訳にはいかないと思ったのです。
  車両を置いて漠然と植物を表現した中を走らせると「?」マークが点灯するのです。

  

  左はミニネイチャーのツタを絡ませたものです。草はシルフロー。これでもそれなりですが、この
  ツタはHO用に作られたものなので、今ひとつグッときません。右が「紙創り」という製品でツタや
  向日葵、タンポポなどを植えてみたものです。縮尺は1/48(ツタ、雑草は1/35と共通)です。
  小さな写真では分からないのですが、葉脈まで表現されています。

  

  全然違って見えますね。「紙創り」は、細かな作業で大変ですが、これを楽しむのがOnの醍
  醐味だと思いました。「とれいん」の原稿で老眼だからOnを始めたと書いたのですが、それは
  とんでもない間違いだったと気付いたのです。軽便祭りで森川氏にも指摘されましたね。「老
  眼だからOnというのは間違っているよ。Onには何故かトイチックな感じがあるよね、それを
  払拭するには、作り込まないと・・・」と、僕も同感でした。こうした作り込みをしてみて、今まで
  Onをやって感じた物足りなさが、何だったか分かった気がしました。分かったからと作れるか
  は別問題です。誤解のないように補足しますが、上記は、あくまでも個人的な意見です。遊び
  方は人それぞれですよね。Onをどう料理するかも人それぞれ・・・僕はこうですという話です。

  

  

  「紙創り」(有)和巧の製品がどういうものか写真(メーカーさんのHPから)をアップします。
  薄い緑色が着色された「雑草V」と新製品のシダです。この製品は1/35なんですが、この
  辺は1/48と共通で使用できます。製品状態で見ているのと、出来た時の佇まいが全然違
  いますからね。「雑草U」は未着色のトレーシングペーパーでお勧めです。普通の紙のもの
  はボテッと仕上がりますが、トレーシングペーパーは繊細な出来です。注意点は着色です。
  スプレー着色が失敗ないと思いますが、下にくっ付いてベロベロになってしまうので注意!
  僕は何枚かを無駄にしました(笑)

 

  シダと雑草を使った部分。左にツタも見えます。この辺に来てOnの面白さが少し分かった
  気がします。ミリタリージオラマ的な面白さですねえ。いわゆるハマりそうな感じ・・・いやす
  でにドップリとハマっているのかもしれません。HOnに戻れるかなあ・・・

                         ■樹木を製作した話

  

  発売されている商品の草類は比較的,、日本と共通のものですから苦労はしないのですが、
  樹木になると違ってきます。「紙創り」はミリタリー用なので、ヨーロッパの樹木が中心です。
  日本の山には似合わないものもあります。1/48で発売されているもので使えそうなのは
  「雑木」「リンデン」「オーク」です。雑木はクセのない葉形です。写真のような針金で木の形
  にします。桜と同じような樹形です。6:4の割合で捻じりながら分割していくと、こういう形に
  なります。

  

  中野北口の桜です。この時期(11月)は樹形の観察に適していますから、写真に収めてお
  くと、後々、役に立ちます。右がリンデンやオークの樹形です。7:3または8:2くらいで分割
  すると幹が一本通った感じになります。それぞれの木については後述します。

  

  エポキシパテで幹を太くして形を整えます。樹の肌はナイフなどで溝を作ったりします。枝の
  方は木部シールと呼ばれるパテを塗って、捻じった線を隠すように筆で塗ります。水性なの
  で簡単に塗れて便利です。針金のネジリが興醒めの人にお勧めします。

  

  製品の葉に着色しておきます。木にはスプレー塗装してから、エナメルの艶消しブラックな
  どでウォッシングします。幹の溝に陰影が付きます。葉は木工ボンドで付けますが。線の
  先を「Z形」にして複数枚つけます。針金でも枝が足りなくなります。シート一枚で一本の
  木を作る感じです。一枚使ってもこんもりした感じにならないので、夏より春先とか秋の木
  の表現に向いているかもしれません。

 

  葉や幹にハイライトを入れたりします。これは雑木です。ボンドが乾いたら葉をもう少し捻じ
  ったりします。

 

  リンデンです。リンデンは正式にはリンデンバームといい、和名は西洋菩提樹です。シュー
  ベルトの曲「菩提樹」は、この木のことです。葉がスペード形です。日本のシナノキに見立
  てる事が出来ます。日本のシナノキは、葉の形は同じですが、縁がギザギザです。模型で
  は目立たないので気にしない事にします。シナノキは、身近な木で日本全国、どこでも見ら
  れます。花は良質な蜜の材料になります。材は水はじきがいいので、アイスクリームの棒
  などに使われています。落葉樹です。

 

  オーク(ヨーロッパナラ)です。ご存知のようにウィスキーの樽などに使われる木です。日本の
  ナラ、なかでもミズナラと同じ葉形です。オークもナラも落葉樹ですが、同じ仲間で樫の木が
  あり、こちらは常緑樹です。葉にギザギザがなくツヤのある葉です。ナラにはコナラもあります
  が区別は葉柄(枝と葉がつながる部分)が長くなりますから、オークはミズナラに近い感じだと
  思います。 

 

  木を一本で見ていると、なんかボリュームが足りなく感じるのですが、レイアウトに配置すると
  圧倒的な存在感があります。製作には数日掛かったのですが、苦労した事が吹っ飛びました。
  機関庫の屋根の下が壊れています。軽便祭りでの搬出などで引っ掛けたようですね。

 

  この木はポイントで使うと効果的なようです。いわゆるシンボルツリーですね。スケールが
  合っているというのは気持ちがいいものです。草や向日葵も活きますね。

 

  木曾のように山がレイアウトの中心と言う場合は、上の方法で広葉樹を作るのは大変ですし、
  コンモリとした木々になりません。WS社のプラ樹木(TR1123)を使います。127mm〜178mm
  の木が12本入っています。幹を出したいので枝打ちしました。切った所はプラらしくツルンとす
  るので、ノコギリの歯を立てて表面を荒らします。

 

  着色してツヤを消してから陰影を付けます。枝は捻じって水平方向に広がるようにすると自然
  な感じになります。陰影はエナメル塗料のジャーマングレィなどを薄めて洗う感じです。

 

  木になり損ねたようなオランダフラワーにデザインボンドを吹き、NOCH社の葉っぱの素など
  (07144)まぶします。デザインボンドはベタ付く上に後で埃が付くので嫌う人も居るのですが、
  それは何も付いていない部分が残るからです。細かなTOMIXのパウダーなどを更にまぶす
  と、それが防げます。

 

  葉を付けたオランダフラワーをハサミなどで切って、木工ボンドなどで接着すれば完成です。
  夏の木を表現するには、やはりこれぐらいのボリュームが必要です。

                            ■針葉樹の話

  

  広葉樹は上記のような感じで色々と出来ました。いつも悩むのは針葉樹です。KMCの近藤
  さんも使っている「グリーンイスラエル」というドライフラワー(ユザワヤで購入)を使ってみま
  した。キンギョ草みたいな感じです。ポロポロ落ちるので掃除が大変!樹木は若いヒノキな
  ので5〜6mmのメラニン棒です。表面をノコギリで荒らし、ステイン(オーク)で着色してあり
  ます。ニスはツヤが出て不向きです。バルサ丸棒の方が加工は簡単ですが、このサイズは
  折れやすいです。長さは40cm位にしました。

  

  このグリーンイスラエルを、斜め上から穴をあけた幹にボンドで固定します。ヒノキというよりも
  杉っぽいですね。色も着色してあって他の木々に馴染まない気がします。う〜ん・・・そんな時
  ユザワヤのドライフラワーコーナーでヒムロ杉というのをみつけました。一本作ったのが右の写
  真です。グリーンイスラエルで作った木が左です。

  

  葉はこんな感じです。発色も自然で、色も模型のミディアムグリーンです。木工ボンドで付きま
  す。かなりの量で一束、700円(2009年11月)!!一束で20本〜30本は作れる量です。こ
  ういうのは各自の好みですが、Onサイズでは「ヒムロ杉」がヒノキに見える気がします。


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