■乙レイアウト製作・ハンドレイ(基板枕木の半田付け)で作る


 


  使う枕木はFastTracks社のウッドタイとPCボード(基板)です。HOn30用でカットしてある
  ものと分岐用の長いタイプです。それぞれの実寸を書いておきます。

         種類  長さ  幅  厚さ
 ウッドタイ(分岐用)  42mm     2mm    1,45mm
 ウッドタイ(カット済み)  21,3mm  2mm  1,45mm
 PCボード(分岐用)  49mm  2mm  1,5mm
 PCボード(カット済み)  21mm  2mm  1,5mm

 

  レイアウトのサイズは560×280mmです。それにFastTracks社から送られてきたCDに
  入っていたNn3用の分岐データをプリントアウトして、ポイントを作りたい部分に貼ります。

 

  そのプリントした分岐は、Nn3用なので枕木が小さいのですが、ゲージが6,5mmです。
  PCボードとウッドタイの配置を参考にしながら、枕木間隔を5mm位で並べます。写真の
  部分は分岐なので、PCボードが多めに入っています。単線部分はウッドタイ5〜6本に
  対してPCボードが一本位の間隔にします。(分岐は4番)

 

  枕木を全部並べ終えました。接着は木工ボンドを使いました。今までの経験では充分な強度
  が得られます。土に埋まっている感じを出したいので、道床はありません。いよいよレールで
  す。ハンドレイなので迷わずCODE40にします。ハンドスパイクだと、犬釘とフランジの干渉
  が心配です。CODE55では立派すぎます。なんか見たことあるレイアウトだなあと思ったら
  On木曾と同じでした。自分のアイデアのなさに笑ってしまいます。まあ、これは1階で、立体
  になると感じが変わると思います。そう信じて前へ進みましょう〜

 

  ME社のCODE40のレールを準備します。最初にレールの底をヤスリがけしてからPCボード
  (基板枕木)に半田付けします。ヤスリがけは、ハンダが流れやすくする為に黒染めを、軽く剥
  がす為です。後で気付いたのですが、キサゲがけの方がレールを傷つけません。

 

  ヤード以外のレールを半田付けしました。小一時間の作業です。ノギスで測ってゲージがあや
  しい所は半田ごてで修正しておきます。クリップで給電してテスト走行しました。こんなに簡単
  に出来たのは、カットしてあるPCボードには絶縁の為に切れ込みがあります。偶然ですが、
  その端に合わせると、6,7mmになります。工作機械で削っているらしく、全て同じ位置です。
  急曲線には、ちょうどいいゲージです。

 

  分岐を作ります。何度も書いてきたので、かいつまんで書きます。最初に先端軌条の入り込
  む部分を位置決めして削ります。そのレールを半田付けします。

 

  クロッシング部分を作ります。ここで最初のレールとのゲージを、しっかり計って正確に6,5mm
  にします。曲線と違って余裕は持たせません。フランジウェイは0,8mmです。それが済んだら
  もう片方の主レールを付けます。

 

  分岐の両方のゲージが、クロッシング部分で正確に出来ると、ポイントは完成したようなもの
  です。先端軌条は1本のレールをPCボードに半田付けして作る簡易式です。CODE40だか
  らできる事です。レールのシナリで切替えます。これはFastTracksの作り方で、マシンはモ
  ーター式か手動の固定出来るものにしか適しません。先端軌条の切換もPCボードへの半田
  付けという、ちょっと乱暴な方法ですが、これがとても上手く作動します。このPCボードの裏側
  の基板部分をヤスっておくと、スムースに動きます。ハンドレイは楽です。

 
 

  ヤード部分をポイントを作りながら作っていきます。片側のレールを決めてから、もう片方を
  位置決めすると簡単です。この時点で左右の絶縁をしっかりしておきます。PCボードはカッ
  ターで切れ込みを入れて半田ごてを当てると、簡単に基板部分が剥がれます。

 

  ヤード右側のポイントの製作途中です。PCボードは簡単に出来ますが、欠点はハンダの
  掃除が大変なんです。それとコテを長く当てすぎると基板が剥がれます。

 

  話は前後しますが、レイアウトの右上にある給電ポイントです。PCボードの脇に穴を開けて
  帯板をL字にして半田付けして下に落とします。それに配線します。分岐のクロッシングも同
  じ方法で電気配線します。

 

  PCボードの切れ込みがない所は、写真のような簡単な冶具を作って、レールを保持して、
  半田付けしています。CODE40用で6,5〜6,7mmのゲージが出来ます。レールを外側
  から押さえると6,5mmになり、開くと6,7mmです。分岐には使えません。

 

  レールの敷設が全て終わりました。車輌でチェックしました。半田掃除を済ませて配線とマシ
  ン設置に移ります。久しぶりのアナログ配線です。DCCにも対応出来るようにはします。仕事
  の合間に少しずつ作業して3日位かかりました。

 ■キャンベルのキット「QUIK’S COAL」を作る

 

  このキットは、ダックス・ストーリーを軽便鉄道模型祭でやる時に、Kさんから譲り受けたもの
  です。割り箸キットと呼ばれるキャンベル社の箱を開けて、図面を見た途端、やる気が失せ
  ました。(笑)じっくり腰を据えて、取り組まなければならないのは、一目瞭然でした。あの時
  は、時間もなく、期限内に完成させるのは無理だと諦めたのです。

 

  インチをミリに変えてパーツリストを作れば簡単かもしれませんが、そのまま原寸大の図面に
  合わせて作る事にしました。パーツの名前を訳さないで書きます。その方がこの製作記を参
  考にする奇特な人がいたら便利ですから。説明書は3枚入っていて、2枚は図面です。もう一
  枚が組み立て説明書です。STEP1からSTEP29まで順に作っていけば完成します。最初は
  Front Wall(前板)とBack Wall(後板)、Side Wall(横板)、Floor Sections(床板)を
  準備します。似た様な板がありますから、図面に合わせて間違えないようにします。写真は、
  STEP2のFront WallにFront Studs(間柱)とPosts(主柱)を貼り付けた所です。STEP
  3で内側のPost(補強柱)を貼ります。

 

  STEP4,5で全ての板に柱を付けて組み合わせます。B2(11pcs)のFloor Joistだけは
  後で付けるつもりです。図面を見ると、STEP6,7の3 Bent(台枠)とからんでくるので、後
  付けの方が楽そうです。

 

  STEP6、7のThe Three Bent Assembliesの組み立てを終えた所です。上に書いた
  床板の補強も入れました。付くのが後板なので後回しにしなくても良かったみたいです。

 

  形になってくると、工作に勢いが増します。STEP8のTHE LOFTとSTEP9のTHE LIFT
  BENT ASSEMBLYをした所です。ASSEMBLYは「組み立て」です。LOFTは上屋で
  LIFT BENTは右のリフト用のヤグラの事です。STEP10のCAT WALK(渡り板)も組み
  込みました。形を崩さないように、BとCの妻板も付けておきます。STEP12、13の繋ぎとか
  斜め補強も同時に済ませています。

 

  これ以上、パーツが付いて混み入ってしまうと、筆が入らなくなるので、STEP14のCard-
  stock Walls(ボール紙板)を付けて着色しました。エナメルの艶消し黒とフラットアースを
  半々くらいで混ぜ、10倍くらいに薄めたものです。薄め方は余分な板でテストして決めます。
  その薄め塗料は多めに作って取って置きます。

 

  この辺りからSTEPの順番通りではなくなります。照明を入れたりするので屋根とか後回し
  です。一気にSTEP24のTHE BUCKET PIT ASSEMBLYに移ります。石炭を溜め
  るピットを作ります。レイアウトの予定地に穴を開けます。ここで台枠に中桟がある事に気
  付きました。しまった〜という感じです。強度を失わないように、彫刻刀で掘り下げます。

 

  上手く設置出来ました。ここから石炭をバケットで上に揚げて溜めます。ホッパーの口が
  見えます。横に板を置いている所に、石炭を放り込むピットを作ります。

 

  本当は木枠も落とし込むのですが、上に書いたように中桟があるので浅めにしました。この
  位置も、なかなか図面から読めなかったのですが、あちこちに書いてあるので、よく見ると
  分かります。

 

  着色して石炭のピットに人が落ちないようワイヤー貼りをしました。図面ではT型ビームに穴
  を開けて作るようですが、どこを探しても、Tビームがありません。そのままワイヤーを並べて
  角材で固定しました。ワイヤーは50本です。結構、根気の要る作業でした。

 

  すごく話が前後してしまいますが、組み立てはゼリー状瞬着です。薄めたエナメル塗料で着
  色するので、木工ボンドは不向きです。壁や屋根には見慣れたキャンベルのコルゲート板
  をGクリヤーで貼りました。着色はスカイグレイです。鉄の部分は、気に入っているホビーカ
  ラーの赤鉄色です。よく、ゼリー状瞬着だと、はみ出た所に薄めた塗料が乗らないと質問
  されます。そういう所は、薄めていない塗料を塗って、トーンを揃えます。

 

  以前、Hoist Houseって何?という問いかけをした事がありました。「Hoist」は荷物エレベ
  ーターとか起重機という訳がありました。このキットの小さな小屋がHoist Houseでした。そ
  うなんです。ここに動力があってワイヤーを巻き上げたりします。起重機小屋だったんですね。
  ワイヤーは図のようにすると描いてありますが、左右に動かすのはどうするのかな?という
  新たな疑問が・・・まさかCatwalkを人が引っ張るのかな。バンカーに石炭落とすのも手動?
  こんな風に色々と考えてしまうと夜も眠れません。(笑)ワイヤー動作の上下が逆なら、上ま
  で上がれば左に動きますね。でも戻せないか・・・・う〜ん。
 
 

  設定上の問題ですが、鉄道で運ぶほどの石炭をピットに貯めるのを、どうするか?ケーブル
  でのバケット運搬など考えましたが、やはり坑道からレールが来て流し込むのが自然と考え
  てレールを敷設しました。せっかくのワイヤーが見えなくなりました。

 

  キットに付属の小屋と事務所も作りました。アメリカンです。北海道開拓の初期に輸入された
  建物という事で・・・向こうにありがちな、建物をツートンカラーにするのだけは避けました。本
  当にアメリカになってしまうからです。小屋はHoist Houseとしては使いません。どちらかと
  いうとボイラーむき出しの起重機を置きたいですね。蒸気がある方がプリムスの時代っぽい
  気がします。それもアメリカっぽくなってしまうか・・・GAZETTEの読み過ぎ・・・それにしても
  楽しいキットです。キャンベルにハマリそう。

 

  諜邪丸式の改造で改軌したアールクラフト(乗工社)のナベトロです。諜邪丸さんと違うのは
  キットの朝顔を生かした事と、リブを削りませんでした。車輪はペアハンズの径3,5mm(NP
  -027)です。転がりがいいです。コールバンカーのシュート口がちょっと高すぎるように感じ
  ます。全体を地面に沈み込ませようと思います。あと1cm!セキならピッタリなんだけど・・・

 

  今日は半田付け工作しました。以前、軽便祭の時にクリクラのA氏から譲っていただいたニチ
  イのバテロコです。小さいです。細かなパーツの半田付けは本当に苦労します。エッチングさ
  れた凹凸が消えないようにするのに細心の注意を払いましたが、やはり、それなりです。どう
  すれば上手くなんるんでしょうねえ。まあ、形になった事で我慢かな。どんな色を塗ろうかと思
  案中。グレーか黄色、薄緑のいずれかです。

 

  上にニチイと書きましたが、ニチユの間違いです。結局、色はスカイグレーにしました。軽くウエ
  ザリングした所です。どう汚そうかとニラメッコしています。

 

  ナベトロが石炭を流しているシーンです。まだ木工ボンドが乾いてないです。ナベトロの端に
  両面テープをギザギザに切って貼って、石炭を付けました。底は木工ボンドで固着しました。
  こういうシーンは固定されてしまうのですが、アクセサリーと割り切っています。

 

  バテロコは錆と汚れを入れました。こういう働く機械は思い切り汚したくなります。その方が
  カッコいいと思ってしまうのです。運転士は一回目の塗装を終えたところです。

 ■朝顔連結の話

 

  諜邪丸式改造の朝顔を生かすとは、どういう事か、説明が足りないという問い合わせが・・・
  簡単なんで端折っていたのですが、段取りを書きます。赤線点線の部分を切り取ります。

 

  それを朝顔のフタにくっ付けて、L字状態のパーツを作ります。もうご理解いただけたと思い
  ます。本当に簡単なんですよ。(汗;)

 

  改造した下回りに、そのL字の朝顔を付けます。接着面積が広いので充分な強度があります。

 

  連結は、朝顔に0,6mmの穴を貫通させて、0,4mmの真鍮線を写真のように加工して
  付けます。昔、KMCで主流だった方法です。上から挿すと連結されます。朝顔の隙間が
  あまりないようにすると推進運転で有利です。安直な工作ですみません。



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