Road of Darjeeling Himalayan Railway Rayout-1
■ダージリン・ヒマラヤン鉄道レイアウトへの道−1
この鉄道も、やはり「軽便讃歌」(けむりプロ・交友社)から影響を受けたものです。鉄道の
あれこれはウイキペディア(いい内容です)を参考にしていただくとして、ここでは模型の話
を中心とします。この鉄道を模型で再現しようとした時、今まではイギリスのバックウッズの
バラキット(当然1/76)しかありませんでした。しかも組み立てが大変そう〜。(平尾さんの
組立日誌を参照)そんな中、今年(2011)のJAMで杉山模型さんが「ダージリンヒマラヤン
風ロコ・0−4−0」を発売しました。早速、買ったのは言うまでもありません。製品は、杉山
模型らしいアレンジされたショーティなロコです。僕にはアッサリし過ぎているので楽しい改造
をします。それと、これに合わせたショーティ客車も作ります。珍しく、ケーディ連結を採用しま
す。レイアウトは急曲線の連続になるでしょうし、もし、スイッチバックを作ったら、他の方法で
は推進運転で具合が良くないからです。
基本的にネジを外せばバラバラになります。最初にキャブ下のプラスネジ2本でキャブが外れ
ます。その次に煙突の中のマイナスネジを外すとボイラーごと取れます。ボイラー内のネジで
サドルタンク、スチームドームも外れます。下回りはいじりません。
最初に前照灯の穴掘りです。モーターツールのダイヤモンドチップの付いた丸ヤスリでさらって
から、底に0,5mmの穴を開けました。LEDのエナメル線用です。キャブ上に手持ちのニワの
大型前照灯(SL-301)を半田付け、中は前と同じようにさらって穴を開けます。スチームドーム
のテッペンも安全弁を付ける為にさらいました。青の部分は塗装し直します。調べると、時期と
何号機かによって色が違います。好みは紺色に近いブルーです。キャブ上にホイッスルも付き
ます。塗装を剥がしてから半田付けするより、必要な部分だけ剥がして半田付けすると、余計
な半田が流れなくて、キサゲ掃除が楽です。
この写真の主な改造点は、コールバンカー部分の縁取りを追加して、ホイッスル(真鍮丸棒を
簡単に削り出し)を付けました。フロント部分に、0,4mmの真鍮丸棒でサンドマン用テスリを
追加。センター側の本体には刺してあるだけですから、カプラー装着時には取り外し可能です。
ボイラーには逆止弁らしき(杉山さんの分売パーツ、おそらく注水器)ものとドレイン管(?)を
半田付けしました。実物写真では赤に塗られ目立つ部分です。安全弁も手持ちパーツです。
塗装し直す前に仮組みして不具合がないか調べます。特に新しく付けたパーツが、走行に支障
ないかが重要です。前照灯の下に0,25mm線でテスリを付けました。それにしてもカワイイ〜
ロコです。もう、ループ線やオメガ曲線を走る姿が浮かんできます。スケールモデルも欲しいけど
これはこれでアリかな。脱線復旧用の棒の支え(下記参照)も欲しいなあ。
本物の写真を見ていて、やはり、脱線復旧用の棒のステーが欲しくなりました。右下のように
ちょっとテーパーがついていて、ロストパーツ向きなのですが、贅沢も言ってられません。真鍮
板(幅0,5mm0,2t)を図のように畳んで、半田を流して加工しました。棒のもう片方はコール
バンカーに切り欠きがあって、そこに入ります。右上がそうです。全体の塗装を落としました。
塗装が終わりました。上の写真と比べて青が濃くなった事が分かります。使った塗料は、タミヤ
のブリリアントブルー(TS-44)です。明るい色が好みの場合、フレンチブルー(TS-10)をおすす
めします。赤はレッド(X-7)に少しオレンジ(X-6)を足した色です。その他に使った色は、ゴール
ドリーフ(X-12)、コッパー(XF-6)、クロームシルバー(X-11)、フラットブラック(XF-1)などです。
白のラインは、ハセガワのホワイトフィニッシュ(曲面追従半艶シート)です。商品名通り、デカー
ルよりもデコボコへの馴染みがいい極薄シートです。シールなので細く切って貼るだけです。ナ
ンバーは、実物写真を基に作成したものをプリントアウトして貼っただけです。石炭はカツミです。
■レイアウト構想 レイアウトの事も考え出しました。左は現地 に掲げられているマップを基に作成した路線 図です。「軽便讃歌」に載っている地図と距 離感が違っています。あれは距離から平面 図として作成したもので、これは衛星写真が 基ではないかと考えます。標高差と距離の 関係からの推察です。模型的にはシリグリ を出発後に、本線との平面クロス、スクナか らカルシャンまでのスイッチバックとループ 線の連続区間はハイライトかもしれません。 グームで最高点に達し、有名なバタシアル ープを通り、ダージリンまで下る所も外せま せん。この2つの組み合わせで上り下りの 差をなくし、始発点と終点をつなげるレイア ウトが出来るのではと、漠然と思いました。 公開運転の時にはスルーで走らなくては ならないので、スイッチバックはレイアウト 本線から分岐する形で作り、上のほうで本 線に戻せば、その部分でもデモ出来ます。 どちらにしても、勾配のある機関車のテスト コースのようなレイアウトになるのは間違い ありません。長いレイアウトでの続行運転を 考えると、DCC化したいなあ。ダメかな? (2011年10月19日) |
■資料のこと
現役時代を知る手持ちの資料は「軽便讃歌」(交友社)とTMS322(’75年4月号)です。機関
車については「ナローゲージブック2」に載っています。レイアウト作りの参考になるのは、DVD
です。イメージを捉えられるし、立体的な感覚が分かります。特に右の「世界の蒸気・ダージリ
ンヒマラヤ鉄道」がおすすめです。
客車(新しいサッシ窓タイプ)を機関車に合わせてPCで作図してみました。簡単に四隅を接着した
だけです。下回りはBトレです。一発目にしては、まずまずかなあ。
最終的に色々とサイズや色を修正してプリントアウトしたものです。左が客車Aで右がサロンカー
です。葉書の光沢紙なので、願わくば、このまま切り出して使おうという魂胆ですが・・・こういう
フリーランスに近いものを設計するのは、いわゆるセンスが問題になります。ショーティでカワイイ
だけでなく、鉄道模型らしい感じ、つまり、実車を彷彿とさせる感じが大事です。うまくいったかは
見た人が判断するものですね。
設計した通り、合わせ目がピッタリ合ってくれたのですが、腕がついていきません。切り出すのも
組み立ても、アチャ〜です。先日、KBMCのMさんの素晴らしいペーパー車体を見たばかりだっ
たので、恥ずかしくなります。やはりサーフェーサー塗って、塗装するか・・・・窓枠が弱いし!気
付いた方もいらっしゃるようなので触れると、実車のサロンカーは妻板側も軽い曲線で構成され
ています。今回のは、そこを省略しています。
タミヤのサーフェイス・プライマー・ファインを吹きつけては、1000番のヤスリスティックで表面を
磨くを3度繰り返し、色を塗りました。デイトナブルーという濃いブルーです。機関車には、そのま
まマイクロトレインズのN用1023を付けました。カプラーの取り付け穴が1,2mmなので、1,4
mmに開け直してあります。この機関車は、普通のカプラー高より2mm低いので、客車の台車
側を加工しました。トリップピンを、1mmほど押し込みます。フロントはもっと低いので、カプラー
座を削らなくてはなりません。今回は、とりあえず、そのままです。
シャーシはカプラーの首振り分を切り欠いてあります。Bトレショーティの台車は、はめこむタイプ
なので、図のような加工をして入れました。念のため、塗装後に1mmビスとワッシャー、ナット
で留めるつもりです。これだけ首を振れば急曲線でも問題ありません。Nの台車を使うのは、ほ
とんど見えないという事と、安価で転がり抜群だからです。ちなみにプラ板は1,2mm厚です。
もう一台もサーフェイス・プライマーを吹いて磨き、機関車と同じブリリアントブルーを塗りました。
屋根はダークシーグレー(XF−54)にフラットベースを追加しました。ハセガワのホワイトフィニ
ッシュを貼ってラインを表現しました。窓セルも貼って、窓枠(0,5mmプラ角材)を填め込んで
いる段階です。プラ同士は流し込みタイプの接着剤を使い、紙と窓セルなどは、手前に写って
いる接着剤を使っています。BSジャパンでご一緒させていただいたクラフトの坂本さんから教
えてもらったものです。木工ボンドより乾燥後の柔軟性が高く、極細ノズルで、とても使い勝手
がいい接着剤で、おすすめします。
できた〜!とりあえずショーティ客車は、これで終わり!後はデカールだけ。祭りで恋に落ちた
現代版女子高生(Kt工房)を置いてみました。彩ちゃんといいます。(おいおい)1026
杉山さんのロコをいじっていたらスケール機が欲しくなったという話を書きました。とりあえず
どうなるか分かりませんが、外台枠を切り出してみました。下回りが思うような動きだったら
上を作ります。続きは工作日誌をご覧ください。
写真は、西遊旅行さんのHPから引用した780号機です。ダージリンヒマラヤ鉄道のHPを見る
と、一昨年のガケ崩れでカルシャンより下は、不通になっていて、再開の目途がたたないとの
こと・・・なんか居ても立ってもいられなくて、西遊旅行さんに手配してもらいました。5日間で
行って帰って来るだけの弾丸トラベラーですが、今のうちにバタシアループと機関車だけでも
見ておきたいと思いました。11月25日〜29日まで、ちょっと行ってきます。
工作日誌にアップしている機関車も、だいぶ形になってきました。ダージリンと騒いだおかげ?
鉄道模型趣味12月号に何と、いのうえこういち氏のダージリン・ミニレイアウトの記事が掲載さ
れました。杉山さんの機関車、いのうえ氏発だったんですね。ミニレイアウトながら、雰囲気が
タップリ盛り込まれたものです。氏も書かれていますが、スケール機は、そのオーバーハング
から、客車牽引で急曲線はツライでしょうねえ。200mm半径曲線あたりでは、KDカプラーは
難しいかもしれません。今一度、レイアウトと機関車の関係を熟考しなければ・・・(今頃!?)
オーバーハングを、形になった機関車と組みレールで見てみました。レールはTOMIXの
R280ですから、まだ余裕があります。レイアウトでは、最小R200にしたいと考えていま
す。そうなると・・・KDが首振らないと厳しいかな・・・KD本体にも戻る板バネかなんかを
装着すればいけるかも・・・
グームの博物館に展示してあったバタシアループの絵です。図面を基に描いたということな
ので、合っていると思います。実際に見る風景と違うのがミソです。俯瞰で見ても、こういう
曲線は分からないものです。内側を200Rで作っても、大きなオメガループになりそうです。
■パリのダージリンレイアウト!!
パリのMuséum National d'Histoire Naturell・国立自然歴史博物館に飾られたダージリンの
レイアウトです。HPがあって製作途中とかが分かります。http://dhr.gemme.org/ 14mm
ゲージと書かれているので、Onスケール?。機関車も客車もエッチングとかで作ったようで
す。HPは写真をクリックして詳細ページへ入っていく方法です。
このエッチングパターンは参考になります。HOスケールでどこかで作ってもらいたいなあ。
GEMMEはフランスの模型メーカーのようです。上のレイアウトを作った会社です。
ロストパーツ一覧です。機関車作る前に知りたかったなあ。この博物館のレイアウトの為に
作った模型のようで、市販はされていないみたいですが、GEMMEに問い合わせ中です。
生地完成状態。素晴らしいの一言です。ああ〜うらやましい〜やはり博物館専用で作った
とのことで、市販はされていないそうです。もし販売すれば1000ユーロはするとのこと。円
高と言っても10万円ですねえ。Onなら、まあ妥当な値段かな・・・