ダックス(HOn2 1/2)製作記

 

  2008年の軽便鉄道模型祭でダックス・ストーリーを特集しました。それに合わせて写真のよ
  うなモジュール製作をしました。おかげさまで車輌も多く集まり大盛況!あれから1年半が経
  ちました。(2010、2、26)→2008・軽便祭への道/製作記を見る

 

  作業部屋にあるモジュールを見て機関庫に停める機関車を持っていない事に淋しさを感じて
  いました。実は何年も前に仲間のアララギさんから作りかけのダックスをプレゼントされていた
  のですが、車輪抜き作業に恐れをなしてほったらかしだったのです。残り少ない人生(笑)な
  んですから失敗してもいいからチャレンジしようと、箱を開けたのです。僕にとってはパンドラ
  の箱です。2−6−2サイドタンク機の悪戦苦闘工作日誌です。(後日談:アララギさん曰く、作
  りかけではなくてパーツの寄せ集めだそうです。2−6−2ではなくて6−2でした。)

 

  勇気を振り絞れたのも、上のボルドウィン中期型をサウンド化して調子こいたからです。こい
  つもY氏に何年も前に調達してもらったものを投げでらった!(青森弁で捨てていたの意)
  まず上回りを形にしました。汽笛と安全弁は調達しなくては・・・砂撒管も欲しいですね。それ
  で車輪をエイ!とばかりに抜きました。オリジナルのタイヤは薄くて走行に支障があったから
  です。ギヤーはダルマヤ製が梱包されていました。アララギさんの愛情を感じます。(笑)

 

  ロコを作った事がある人はお分かりですが、この時点でスムースに転がらなければ先があり
  ません。むむむ・・・引っかかりがあります。位相の狂いを最初に疑いクランク部分もチェックし
  ましたが、問題が見つかりません。ふと気になってメインロッドを外してみると、スムースに転
  がります。なんと心向棒とクロスヘッドがガリガリとしています。まさかと思う場所でした。

 

  話は前後しますが、ここまでの作業ですが車輪を抜いてアイドラーギヤーを入れます。車軸
  の太さがオリジナルと違い細く、パイプなどを組み合わせ削って半田付けしました。当然、ギ
  ヤーボックスの軸受けサイズも違うので1mm幅0,3mm厚の板をU字に曲げて6箇所埋め
  ます。モーターツールで車軸が軽く回転するところまで削ります。アウトサイドフレームなので
  クランクもオリジナルから外して位相を合わせながら半田付けしました。絶縁のプラが溶けな
  いように気を付けました。それでもちょっと緩くなってしまったのでバックゲージを合わせて固
  定しました。上の箱はアララギ氏製作のオリジナルボックス。センスの良さが光ります。

 

  ウォームギヤーの取り付けです。軸受は、壊れたモーターから外したオイルレスメタルの軸受
  をハンダ付けしました。モーターへの接続はフクシマ模型プラジョイント(No4502)です。樹脂で
  瞬間接着剤だけだと不安なのでイモネジを自作して取り付けました。モーターツールで回して
  みます。あれ〜噛み合わせが悪く、車輪が空転したりします。ギヤー比は高いです。ロコの高
  速運転を好まないのでいい感じです。

 

  空転の原因は、オリジナルの車軸から細くなったので当然ですが深さがあり、矢印方向に
  動く事で、ギヤーの噛み合わせが甘くなるのです。図のように押さえ板に洋白板をハンダ
  付けして少し半田を盛りました。

 

  工作した写真です。モーターツールで回すと、最初はキツイのですが、いい具合にハンダが
  削れていくと、回転が上がっていきます。動輪のアバレもなくなり、一安心です。これによって
  車高が低くなり、フロントにある排障器(ステップです)のレールへの擦れが心配になります。

 

  レールの上に置くとクリアランスは1mmありました。勾配で心配な数値ですねえ。エポキシ
  とかで絶縁すれば済む事です。低い方がカッコいいと思うので・・・

 

  色々と追加した上回りを乗せてみます。むむ・・・後ろ下がりですねえ。ボイラーのとこが何か
  変です。直しましょう〜なんか楽しい工作です。ちなみに前照灯は珊瑚のヒサシ付LP42です。
  79618号機を作った時の残りです。砂撒管元栓はウイストジャパン(No,2171)のもの。汽笛
  はエムテックスの8620,9600用(No,W58-1040)で安全弁は真鍮丸棒の削り出しです。日
  本でかなり改造された姿ですね。発電機でも乗っけましょうかね。テンダー機に付いています。

 
 
  上で「日本で改造」と書きましたが、ブラジルの間違いですね(笑)汽笛が煙突や屋根よりも
  高いので気になって切り詰めようかと思いましたが、本物のペルスの写真を見ると、同じよう
  な機種があるので、このままにします。タービン発電機(エムテックスW58-1070)を付けて配
  管しました。砂箱にもアームを付けます。汽笛も引っ張れるじょ〜手摺と取手も追加。

 

  後ろはエコーの小型前照灯(No.779)です。中をLED用にさらってあります。エンドビームは、
  パーツボックスにあったもの・・・何のものだろう・・・パーツの雰囲気からMW製だと思います。

 

  エンドビームを付けたので、従台車と一体だったカプラー座を切り離してキャブ下にハンダ付け
  しました。朝顔よりもKDを使いたいですね・・・後ろに先程からウルサイくらいに映っているモー
  ター群はくっつけて相性をみているものです。一番、トルクがあるのが真ん中のN蒸気から外し
  た奴ですが、ネジ穴がありません。モーターマウントを考えなくてはいけません。どうしよう〜

 

  諜邪丸さんのアドヴァイスを受けて第2動輪をフランジレスにしました。こうすることで急曲線に
  対応できます。モーターは、結局、マウントを考えてキドに落ち着きました。十分なトルクです。
  デコーダーとの相性もいいので不安がありません。色々と自分の工作力が試されるキットです。
  先台車を付けるか悩む所です。1973年3月号の鉄道模型趣味・DACKS STORYを見ると、こ
  のフロントビームには台車が付かない事が判明。1月号のイラストに付いているので勘違いし
  ていました。首振らないし、絶対にショートすると悩んでいたからです。(3月3日)

 

  キサゲをした後、分解、洗浄、プライマーを吹き、艶消し強めのブラックを全体に塗りました。
  メーカーズプレートや汽笛などの塗料をカッターで落とした状態です。デカールを作ったら更
  に塗装します。

 

  キドマイティを付けて、この時点でスムースに回転するかをチェックしておきます。さてと集電
  ブラシを付けなくてはいけません。+側(右)を車体アースにしています。従台車が片絶なのを
  忘れて反対に付け、やり直しました。キットのまま作るのと違い、注意深く、気を付けなくては
  いけません。僕が最も苦手な事なのですが、これも訓練だと思っています。(笑)

 

  デカールの原稿です。お察しの通り、深緑をキャブとサイドタンクに塗る事にしました。字体は
  黄色です。実車とは違いますが、ブラジル国旗からイメージしたものです。大昔のF1ロータス
  カラーです。深緑の葉巻に黄色のラインが大好きでした。子供の頃持っていたレーシングカ
  ー(スロットレーシングカーの事)も、この色でした。好きなんですねえ。

 

  諜邪丸さんのアドヴァイスを受け、従台車に復元バネとして0,25mm燐青銅線を付けました。

  

  集電ブラシを0,3mm厚のプラ板を挟んで取り付けました。動輪の裏側をこするタイプです。
  テスターでチェックもします。車輌は深緑を塗り、自作のデカールを貼りました。いよいよ完成
  間近ですねえ。勿論、DCC化の予定でLEDでライト点灯もします。(3月8日)

 

  アウトサイドフレーム部分を、アララギさんのアドヴァイス通り、削ってから塗装して組み込んだ
  状態です。動輪も掃除(削りカスなど)して艶消し黒など塗って化粧しました。動きました。(笑)
  当たり前だろう〜と言われそうですが、こればっかりはダックスをイジッタ人にしか共感してもら
  えない事かもしれません。動いた時の感動を久々に味わいました。(3月9日)

 

  機関車1両だけだと淋しいのでトレーラーの客車も作りました。作ったといっても乗工社の頸
  城客車キットを組んだものです。色によって感じが変わるものです。ロゴで分かるようにペル
  スは石灰なので、白っぽいウエザリングをしました。オーバーに感じますが、遊んでいるうち
  に少し落ちます。貨車が欲しいですね。

 

  できたよ〜車輌をくださったアララギさんに敬意を表し、アララギチックに写真を撮ったつもりで
  したが、やはり違いますね。(笑)在庫のパーツでやりくりしたのでイメージ通りという訳には
  いきませんでしたが、自分の力から考えれば、まあこんなもんでしょう。

 
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