博物館の後は、ウズベキスタンの普通の人が行く、レストランへ連れて行ってもらいま
した。食べたのはサラダ、サムサ、シャシュリク、魚のフリットです。内陸のウズベキスタ
ンで魚?そうですブラックバスです。ブハラのフライだそうです。ちなみにサムサも三角で
ブハラ風と言っていたので、ここのレストランのシェフはブハラ出身かもしれません。現地
の人の発音は「ブックァラ」に聞こえます。このレストランは住宅街の中にあって、外は味
気のない波トタン張りです。入り口の上に看板があるくらいです。中は鉄骨の日よけがあ
って中庭風。真ん中に噴水があって、周囲にパイプ製のテーブルとイスが配置されてい
ます。ぶどう棚があって涼しげです。サービスはすごいファッションをした若い女性ばかり
なのは、他と一緒です。ビールが飲みたいというリクエストに出てきたのは、カザフスタ
ン・ビール!美味しかったのですが、普通こういう場合はウズベキスタンのものですよね。
たずねてみると「美味しくない」という返事。「え〜〜〜」次の日、それを体験します。
←トルコのハイダリのような
ヨーグルトディップとトマト
と胡瓜のサラダ。
挽肉のシャシュリクと→
右上がカザフスタンビール。
それからウズベキスタンのシャンパンと呼ばれる発泡ワインのセラーへ。商品名もずば
りシャンパン!ご存知のように現在は、フランスのシャンパーニュ地方産のみにしか呼称
は許されていません。工場の事務所に通されてお話を・・・・「あれ?」結局、握手をして
帰りました。わざわざ訪れたのですから生産状態をみせていただきたかったよう〜これか
ら訪れる全てのワイナリーが大なり小なり、この状態でした。試飲も、すごいものです。冷
えていないシャンパンだったり、いつ開栓したか、分からないボトル(勿論!酸化してまし
た)だったり、グラスに注いだワイングラスに手の平をあてて振って、テーブルにドン!「こ
れで味がひきたつ!」と一言。世界のワイン生産者のレベルから言ったら申し訳ないの
ですが、最悪でした。樽も洗浄してないらしく、雑味が多すぎます。もしかしたら、海外に
なんか売りたくないので、嫌がらせをしていたのかと思うほどでした。ビールもワインも絶
望的でした。この話に引きずりこんだ私は、O氏とH氏に申し訳ない気持ちで一杯になり
ました。葡萄が素晴らしいだけに残念に思うとともに、悲しくなりました。よい素材を、まず
い料理にしてしまう料理人を見るような感覚です。これがウズベキスタンの味だと開き直
られました。あんなに料理が美味しいのですから、味覚音痴ではないはずです。海外資
本下で国際市場で揉まれなければ、変わる事はないでしょう。社会主義の残した悪。向
上心のない企業でした。これで世界に冠たるウズベキスタン・ワイン(歴史的にという意
味だと思うのですが)という豪語には言葉もありません。(皆さん、ごめんなさい。あえて厳
しい事を書かせていただきます。それとウズベキスタンの名誉の為に一言、シジャークと
いうワインは美味しいです。もしかしたら他にも・・・)
私のイメージは、その昔、中国の皇帝やモンゴルのハーンが絶賛した、中央アジアの葡
萄酒。シルクロードのオアシスの恵みの味を考えていました。本当に失望しました。このシ
ョックは、この後の旅行に影を落としました。だってこれが今回の最大の目的だったのです
から・・・・
それでも諦め切れない私達は、リカーショップでめぼしいワ
インを買い込んで試飲しましたが、多くのボトルが洗面所に
流されました。少しくらいなら我慢出来るのですが。もしかし
たらリカーショップで駄目になったかな?
失望したまま、その夜はクシャコフさんが経営するレストラ
ンへ。そこはアンホール運河沿いにありました。オープンレス
トランで、清潔で食事も美味しい。クシャコフさんは、私の為
に料理の段取りを見せてくれるようにしておいてくれました。
突然、予定変更したのに・・感謝!少し気を取り直して貴重
な写真の一部をご紹介します。








ウズベキスタンの代表料理
写真解説(左上から)
■ショルバ(スープ)・・ラグマンも同じスープで作っていた、羊肉だしで軽いトマト味。スパ
イス使いは薄いクスクスのソースのよう。ただ塩分は高めにしてあ
る。緑はフレッシュ・ディル。思っている以上にディルは多用される。
■サモサ(タシケント)・・街によって形が違う。この長方形がタシケント風。中身は粗挽肉
と玉葱。
■シャシュリク(カバブ)・・羊肉のかたまりだったり、レバー、挽肉など、白いのはお尻の
脂身。
■プロフ作り・・カザンと呼ばれる鉄製の鍋で作るピラフ。米料理はどこの国も奥が深い。
■ラグマンの麺作り・・中国の麺伸ばしと微妙に違っていておもしろい。打ち粉ではなく油
を使う。
■サモサ焼き・・蓋をして高温にしたタンドールの壁にサモサを張る。20分で焼きあがる。
■シャシュリク焼き・・焼きながら味付けをする。傍らには唐辛子に塩とコーンミールに唐
辛子に塩がある。素材によって使いわける。
これが最初の日(長く感じました)です。次の日、サマルカンドへ向いました。朝、道の途
中でワイナリーに寄ったのですが、内容は前述した通りです。巡行速度平均120kmで飛
ばす!飛ばす!決して道はいい状態ではありません。(ひやひや〜)タシケントとサマルカ
ンド間は少しカザフスタン内を通ります。国境チェックはありますが、ウズベキスタン側の方
が厳しい感じでした。道に水溜りと土手を作って全ての車を通していました。走り抜けられ
ません。(う〜これは国家機密かも・(^。^;)
ただただ続く地平線、見渡す限りの綿花畑を走って行きます。2時間位たった頃、赤茶け
た砂丘と山が見えました。グングン近づき、私達の乗ったVWのワゴン車は山(木が生え
ていない)を越え、谷を下り、ザラフシャン川の上流から平地へ。さっき越えた山は、天山
山脈やヒンドゥークシュ山脈の端っこだったのです。この西の先は、キジルクム砂漠からカ
ラクム砂漠とカスピ海へと続くのです。山を越えてからは、木々が増えて豊かな大地であ
ることが伺いしれました。途中の村々では、りんごなどを道端に置いて売っています。いく
つかの丘を越えた頃、向こうに青いドームがいくつも見えてきました。青い空よりも青く、赤
茶けた風景の中で際立って輝くサマルカンドでした。憧れ続けたサマルカンドは、イメージ
より大きく、美しく整備された街でした。
この街の広場に着くと、母親と娘が大声で叫んで近づいてきて、私達の車を誘導します。
何も知らされていないので、てっきり私設の駐車場だと思っていました。ところが、これが
日本のウズベキスタン大使館で「普通の人達の食事が食べたい」という私のオーダーの答
えだったのです。母娘はグルジャコフさん。待ちかねていたらしく、食事はすぐに始まりまし
た。サラダにサマルカンドのナン(これは本当に美味しかった)と羊とガルバンソ(ノホーツ
と呼ぶのはトルコと同じ)の煮込み。幸せ〜。それと遠く離れた日本のZ氏に感謝。
↑お家のキッチンを拝見
めちゃめちゃ美味しいサマルカンドのナン↑
骨付き羊肉とガルバンソの煮込み→
(玉葱スライスとディルを合わせて)
家の窓から見たサマルカンドの街→