■HOn2レイアウトー1                                TOPページへ

  このレイアウトは、工作日誌で作ったコッペルを走らせる為に作るもので、とれいん誌の
  「カルタゴ・サロン」で連載(2011年3月号より)します。ここでは記事よりも詳しく掘り下
  げて(誌面では限界があります)、僕がやりたい事をキチンと伝えられたらと思っています。


  このレイアウトはサロンの記事の為に作るものなので、思うようにアップが出来なくなりますが、
  レポートはしたいと思っています。1/87の6,5mmレイアウトの製作記事を書きたいと編集者
  に申し出た時、あまり芳しい返事はいただけませんでした。読者のニーズがないだろうという事
  と、レールも車両もないというのが理由です。確かに趣味誌は売れないと、どうにもなりません。
  ずっと好き勝手に記事を作ってきて、それを許してもらっていた手前、あまり強くも言えませんが、
  メジャーな分野だけでは、趣味誌として片手落ちな気がしますし、読者が作れる記事がいい記
  事かと言えば、そんな事はないと信じています。めげないよ〜(笑)

            ※日誌形式をやめて普通の製作記にしました。

●レイアウト配線
 

  計画は図のようになっています。反時計回りの場合、赤の矢印が上り勾配で緑が下りです。白
  丸が最高点です。赤丸が勾配の起点で、緑丸が終点。勾配は3%くらいに収めたい所です。左
  の四角はミラーで、MR誌に載っていた感じにしたいと思っています。Y字ポイント部分は機関庫
  です。立体的にしたいので、全体を浮かせる構造にしようと思っています。

●レイアウト事始
 

  いよいよレイアウトに取り掛かります。計画図を基にして、Fast TracksのHPからHOn30の
  #4ポイントのテンプレートをダウンロードして、75%縮小でプリントアウトします。9mmゲージ
  が6,5mmになります。プリンターでも違うと思うので試してください。それを切り取り、2,3mm
  のベニヤ板に並べます。この板は道床で、後で切り取ります。ポイントが上手くいかないと、レ
  イアウトが台無しになるので、作り直しも覚悟してポイントから作ります。

●クロッシング製作(ハンドレイについても参考にしてください)
 

  ポイント作りは、最初にクロッシング部分からです。角度を分度器で割り出して(4番ポイントなの
  で、直角三角形は1:4です)1mmのプラ板で直角三角形を切り出し、両面テープで万力に貼りま
  す。CODE40のレールの高さが1,1mmなので、万力で挟むと固定されます。それをヤスリで
  削ると、簡単にフログレールが作れます。フランジウェイ(今回は0,6mmにしました)をキープし
  てウイングレールを付けます。フランジウェイが、直進側も分岐側も一直線にする事が一番のポ
  イントです。フログレールは図のように合わせて半田付けします。クロッシング部分への給電用
  に真鍮板もハンダ付けします。

 

●ポイント製作
 
 

  クロッシング部分が出来たら、ゲージを確認しながら、トングレールが入り込むポケットを作った
  ストックレールを左右半田付けします。それが済んだら、加工したトングレール(リードレールと
  一体構造)を半田付けします。トングレールの動作方法は、Fast Tracks社のオリジナルな
  方法です。最後にガードレールを付けて完成です。念のために車輌を通して確認します。特に
  コッペル2台が抵抗なく通る事が大前提です。使っている枕木については、乙レイアウトを参
  考にしてください。最後に半田の掃除します。これが意外と厄介ですが、脆い所が発見出来る
  利点があります。

●着色で完成!
 

  ハンダを落とした後に、枕木はタミヤのエナメル塗料のフラットアースを塗ります。腐食を防ぐ事
  もあります。レールはハンブロールのNo,62を軽く塗っておきました。フランジウェイを0,8mm
  に直しました。普通のHOnなら0,6mmでいけるのですが、Nの車輪には厳しいです。

●ハンドレイは楽だよ〜(ハンドスパイクに比べて)
 

  このレイアウトに必要なポイントが全て完成しました。全て車輌がスムースに通るので一安心。
  最初の配線図では、機関庫前のポイントがあるのですが、蒸気機関車が現役なので、ここは
  ターンテーブルを置く事にしました。以前、川桁モジュールで使おうと取っておいたペアハンズの
  もの(Myabiさんに譲ってもらったじょ〜感謝)があります。最初の配線図にレイアウトの寸法
  を入れるのを忘れましたので、追加しておきます。なんか盛り上がってまいりました。(笑)

 

●Nナロー用ターンテーブル(ペアハンズ製)
 

  ターンテーブルの組立てを始めます。キット付属のレールは使わずに、基板枕木を転車台に
  半田付けして、CODE40を半田付けしました。レールの長さは30mmです。コッペルのWB
  が12,5mmなので問題ありません。ターンテーブルの寸法は、内径31mm、外径38mm
  です。ここで問題が発生!軸受け(軸A)がありません。自作できるようなパーツでないし、
  ターンテーブルの精度に関わる部分なので、送ってもらうしかありません。でも在庫があるか
  心配です。とりあえず届くまで棚上げ状態です。塗装でもするか・・・

●軸受けが届いた〜
 
 

  う〜ん便利な世の中だなあ〜メールを書いて一日で届きました。しっかり在庫を持っていた
  ペアハンズさんはエライ!(笑)軸AとBが同梱の状態でしたから、やはり最初からなかった
  んです。袋を開ける時、確認しましたから・・・こういう時って自分が失くしたんではないかと
  不安になります。パーツが来るまでの間に、塗装を済ませていました。軸Aと土台の穴がキ
  ツイので軽くモーターツールで軸を削り、穴を少しだけ大きくしました。歯車が軽く回ります。
  2mmナットは一緒に回転するのですが、念のためにロックタイトでとめます。この駆動部分
  は優れものです。説明書によれば、一回の通電で、サーボモーターが30°転車台を動かし
  ます。レールは30°間隔で敷設すればいい訳です。はたして上手くそうなるか・・・

●組み立て
 

  組み上がりました。赤の矢印はレールへの給電線です。下でサーボモーターと書きましたが、
  メーカー説明書では「ギアモーター」と呼んでいます。駆動はDC1,5Vで、押しボタンスイッチ
  で通電させます。逆転スイッチがあれば、逆にも動きます。一回通電させるとギアモーターの
  白い部分が一回転します。そうすると30°刻みの歯車が一コマ動きます。ストッパー(メーカ
  ーではロック板)があるので、それ以上は動きません。押し続けると、30°動いては止まるの
  繰り返し動作をします。なるほどと思う確かな駆動方法です。感心しました。今までターンテー
  ブルのストッパーで、頭を悩ませていましたからねえ。さあ組み込んでレール敷くぞう〜

●ポイント位置と道床のケガキ
 

  前に「2,3mmのベニヤ板に・・・」なんて書きましたが、ターンテーブルの取り付けが4mmだっ
  たので、道床を4mmのシナ合板にしました。切り出す前に、作ったポイントを置いて、あれこれ
  計画を練っているところです。欧米ではドッグボーン型といいますが、日本的にはひょうたん型
  です。久しぶりに回し引きノコギリを研ぎました。最小半径は220Rです。コッペルは、勾配には
  強いのですが、急曲線には弱いのです。道床幅は30mm、枕木の長さは16mmです。

  ※「ひょうたん型にしたのは意味があるの?」と聞かれました。小さな車両では集電が不利に
    なりがちです。集電は、直線よりも曲線が有利で、その為にひょうたん型にしました。

●勾配のこと・・・
 

  回し引きノコギリで道床を切り出して、100mm間隔(場所によって密になっていますが)の土
  台で、3%勾配を作った所です。土台は勾配に合わせて、3%で斜め(赤斜線)になっていて、
  内側に0,5mmでカント(青斜線)が付いています。一枚の板から道床を切り出すと、曲線で
  逆カントになりやすいので注意が必要です。この作業では、水準器が手放せません。

●橋梁の下準備
 

  渓谷部分の下準備です。下のフレームまで切れ込みを入れて、高さを稼ぎます。橋梁部分は
  6,5mm幅に切り出しました。U太さん方式です。CODE40のように段差にシビアなレールは、
  道床が一枚板の方が有利です。この部分は、折れやすいので、橋梁を先に作っておきます。

●橋梁の製作
 

  6,5mm幅のシナ合板は心許なくて、竹串と角材を使って、木橋を作りました。モデルはありま
  せんが、構造は木曾のものを参考にしています。コッペルが小型とは言っても、SLが渡るには
  ちょっと怖い橋ですが、木橋のデザインが好きなので、敢えてこのままでいきます。このままで
  は、シナ合板部分が不自然ですが、枕木と渡り板が付くと気にならなくなります。

●枕木を並べる
 

  枕木をGクリヤーで接着して並べます。橋梁部分は、製品のままの長さ(21mm)で、間隔は
  5mmです。道床部分は、長さが16mmで、間隔が6〜7mmです。木曾HOnレイアウト
  線路規格を参考にしてください。基板枕木は、バスウッド枕木5本挟んで入れています。これ
  くらいの間隔で、問題なくゲージを保持できます。曲線部分に、橋梁を持ってこざるを得ない
  のは、小さなレイアウトの宿命かもしれません。全部の枕木作業に数日かかります。

●枕木作業(新しいPCの設定に手間取り、間があきました)
 

  ほぼ全部の枕木敷設を終えたところです。ターンテーブルの所だけ済んでいないのは、機関庫
  の方向で悩んでいるところです。左の直線で切れているところは鏡が立つところです。ハンドス
  パイクなら両面テープ(スパイクで固定される)で済むのですが、ハンドレイは、接着剤でしっか
  り固定しないと、レールごとずれたりします。結構アバウトに並べても走行に支障をきたすことは
  ありません。上下(段差)だけ気にかけるようにしています。

●レール敷設−1
 

  レールを敷いていきます。ジョイナーは使わずに、基板枕木上で半田付けし、合わせます。です
  から、レールの端は、基板枕木の上になるように長さを調整します。最初は、とりあえずレイア
  ウトの内側の線路を全部半田付けします。

 

  片側のレールの敷設を終えた段階です。今回、枕木が16mmの長さだったので、CODE40の
  場合は下の画の寸法になります。左上に描いたのは、こういう形になりがちなので、曲線で注意
  が必要です。何度か直しました。ハンドスパイクやハンドレイの利点は直せる事です。レールを
  焼き鈍して使うと、なりにくいのですが、扱いが難しく誰にでも薦められる方法ではないような気
  がします。ヘロヘロレールの表現には向いています。つまりそういう風になりがちです。

 

●レール敷設ー2
 

  もう片方のレールを、自作の冶具で押さえながら、半田付けしていきます。こんな小さな模型
  でもスラックは必要です。特にフランジの高いNゲージの車輪を使っていますから、尚更です。
  直線やポイントは6,5mmで、曲線は6,7mmにしました。

 

  本線の作業を終えた段階です。ここで本線に仮配線して、主力のコッペルなど、色々な車両を
  走らせて、問題箇所をチェックします。特にS字部分とか、数字だけでは分からないのです。ゲ
  ージが合っていても、スムースに走らない事がありますから・・・

●スラックの話
 

  よくスラックは、遠心力によって外側にズレた時に、斜めになった車輪の円周差で、スムース
  に曲線を回ると言われます。なるほどなあ〜と感心したものですが、念のため鉄道工学書な
  どを調べてみました。そんな記述はなくて、簡単に言うと、スラックはフランジの当たりを逃が
  す為に設けるという事です。模型でも、こちらが理論的に有効な話です。木曽モジュールで、
  9mmジャストのPECOのレールで急曲線を作ると、長い運材列車の抵抗が半端ではなかっ
  たのは、そういう事です。

●テスト走行中
 

  手持ちの車両、全てを走らせてみて、問題箇所を探します。所々で立ち往生したのは、半田が
  付いていなくてゲージが狂っていた所です。ポイント周りのショートが、一番やっかいかもしれま
  せんが、今のところ、問題ありません。面倒なことから先に工作したのが幸いでした。勾配につ
  いては、拍子抜けするほどスムースです。もう少し傾斜をキツクしても良かったかなあ・・・それ
  にしても、このコッペルは良く走るよ〜。

●ポイントマシンの設置
 
 

  このポイントは、スローアクションのものを使います。手持ちのLEMACO1台と天賞堂さんが
  後継として入れたFULGUREX(スイス製)を設置しました。集電は1,2mm巾(0,2t)の板
  を基板枕木に半田付けして、裏に落とします。まだ配線が済んでいません。LEMACOと違い
  FULGUREXは取り付け位置が遠いので、上の図の寸法ではなく、説明書通りに20mmの
  長さにしました。上部は19mmです。(真ん中がLEMACOでアームに余裕があります。)

 

  6,5mmレイアウトに19mm長のロッドは、さすがに長く大きく感じます。地面を作れば目立た
  なくなると信じたいところです。何かで隠すか・・・

●配線図
 

  今回のレイアウトは、ポイントマシンや電気配線を先に済ませてしまいます。いつもは、これを
  先にやると、車両を走らせてばかりで、レイアウトの製作が滞ってしまいますが、原稿用なので
  きっと大丈夫でしょう。(笑)電源トランス(1次側AC100V、2次側AC12V)とブリッジダイオー
  ドで直流にして、電解コンデンサーと抵抗で、簡単な整流回路を作ります。約12Vになった部
  分から、ポイントマシンとかに供給します。

 

  実際の配線状態です。左上のトランスは12V0,8Aを使いました。ブリッジダイオードは、定格の
  1,5倍より大きいものを、バラのダイオードで構成しました。2次側の電解コンデンサー部分での
  計測は15Vです。スイッチなどを取り付けたのは、3mm厚の着色アクリル板(グレー)です。ター
  ンテーブルの電源(1,5V)は、エコーの室内灯用に買ってあったLシステムの定電圧基板です。
  実測1,2Vで、問題なく動作します。

●枕木の着色
 

  地形製作の前に枕木を着色します。最初に薄めたエナメル塗料(フラットブラック+フラットアー
  ス)をバスウッド枕木に塗り、フラットアースを基板枕木に塗りました。レール側面は、ポイント
  以外にハンブロールNo,62を塗って、全体に木甲板色を吹いてトーンを整えた所です。基板枕
  木とバスウッド枕木の質感が違うから目立つでしょう・・・と聞かれましたが、ドアップで見ない
  限り、ご覧の通り、大丈夫ですよ。

●鏡の話
 

  最初のレイアウト配線図の所でミラーと書きましたが、こういう感じです。小さなレイアウトを広く
  見せるテクニック(車両も倍になります!)ですが、置き方を間違えると、チープな雰囲気になり
  ます。風景に同化させる事が大事です。ミラーの大きさも重要で、大きすぎると映り込みが大き
  くなり、リアリティがなくなります。実は、この方法は、モデルレイルローダー誌のDave Bigge
  氏のレイアウト(リオ・グランデ)の真似です。下手に小細工するより、そっくり真似ようと思いま
  す。この鏡は糸鋸とかで切れるアクリル製です。(100×100mm)

●給炭塔(コーリングステーション)
 

  山作りの前にストラクチャーを作ります。お馴染みのキャンベル社のキットですが、レイアウトに
  合わせてモデファイしました。塔の下にあるホイストハウスは、倉庫に改造して別の所に建てま
  す。石炭を上に揚げるバケットも1基にしました。

 

  着色して屋根を貼り、照明の傘つけて完成です。オリジナルはリオグランデのデュランゴにある
  有名なコーリングステーションです。日本では鹿ノ谷(夕張)のものが有名です。

●給炭塔の設置
 

  レイアウトに設置してみました。土留の木枠で高さを調整して車両に合わせました。塔の後ろは
  山になるので線路が見えなくなります。どう処理するかがポイントです。

 

  この写真で給炭塔の後ろが省略されているのが、よく分かります。山で囲ってごまかす算段で
  す。作りこむと車両が通れません。倉庫はトタン屋根にして、日本らしくしました。雨どいも追加
  しています。塔の向こうに選炭場を作ります。鏡の上縁はベルトコンベアで隠します。

 

  選炭場とそれに続くベルトコンベアの建屋が出来ました。理屈的には右に立鉱の建物がくる事
  になります。鏡は結局、100均で買ったガラス製(200×100mm)にしました。アクリル製は、
  厚みがあって、反射した像との隙間が目立ち過ぎました。ガラス切で切れました。

 発泡スチロールで山を、ざっと作りまし
 た。切り出した板は、計画図にも載って
 いない、もう一本の線路用です。作業
 軌道のつもりです。製作中に、この線の
 アイデアが浮かんできました。給炭塔の
 後ろに回って、鉱車がピットに石炭を落
 とす風な感じにしようと思います。線路を
 横切る部分はティンパートレッスルを並
 べて支えます。右の山の陰の部分は、
 段差で線路がある状態です。走る方向
 を逆にすれば、カッコいいんじゃないか
 と、一人悦に入っています。給炭塔から
 向こう側は、山の中に隠れるようにする
 ので、見た目は自然です。石炭を積ん
 だ編成がグルグル回っても、山から鉱
 車が、どんどん降りてくる感じです。立
 体的なレイアウトにしたい思いは、叶え
 られそうです。
 



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